少し前にベルジェスツールというスツールを買いました。これが不思議な魅力のある椅子で気に入っています。
一度見たら忘れないコロンとした可愛げのあるフォルム、小さめのサイズ感でありながら様々な用途に使える汎用性。
アートのようでもあり、何通りの使い方もできる便利な道具でもあるスツールです。
羊飼いの椅子

ベルジェとはフランス語で「羊飼い」の意味で、ベルジェスツールは羊飼いが使う椅子から着想を得て1953年に作られた作品です。
デザイナーはシャルロット・ペリアン。20世紀を代表するフランスのデザイナーで、名前を聞いたことがあるという方も多いかもしれません。

現在はカッシーナ社が復刻生産しており、オーク材ナチュラル、オーク材ブラック、アメリカンウォールナット材ナチュラルの3タイプが展開されています。
以前実物を見たことがあって、そのとき「色々使えそうな椅子だな〜」と思い、いつか欲しいなと考えていました。
5通り+αの使い方ができる

素朴なデザインでありながら、空間に置いてあるだけで不思議な魅力を放つベルジェスツール。
僕がこの椅子に惹かれたのは、単に飾って楽しむだけでなく、色々な使い方ができる便利な実用品だと思ったからでした。
この椅子は、僕にとって5通り+αの使い方・楽しみ方ができるスツールです。

1つ目は普通に座る椅子として(スツールなので当たり前ですが)。
ちょっとした腰掛け椅子みたいな感じで、少し気分を変えて読書をしたいときとかに使える感じ。
座面は平らではなく軽く湾曲しており、座り心地が良いです。

2つ目はステップツール(踏み台)として。
高い場所に置いてあるものを取るときとか、掃除をするときに重宝しています。今までこういう踏み台を持っていなかったので、本を重ねて踏み台代わりに使っていたんですよねぇ。
小さくて重くないから、使いたいときにサッと使えるのが良いところです。

3つ目はオットマン(足置き台)として。
デスクチェアにはオカムラのバロンを使っているのですが、バロンにはオットマンがついていません。
そこで、ベルジェスツールをオットマンとして利用しています。
バロンの背もたれを倒してベルジェスツールに足を伸ばして乗っければ、良い感じのリラックスチェアになります。

4つ目は撮影台として。
小物を乗せて写真撮影するのにちょうど良い大きさなので、撮影台に使っています。

何を乗せても様になり、悪目立ちせず、被写体を引き立ててくれるところが気に入っています。僕は小物の物撮りをすることが多いので、これからも写真のスタイリングに重宝していきそう。

5つ目はアート・ディスプレイ棚として。
僕はこれをアート作品だと思って購入した節もあって、アートインテリアとしても楽しんでいます。そのまま置いておくだけでもいいし、本を重ねて置いてもいいし、植物を置いてもサマになる。
絵になる静けさがあるというか、見ていて飽きない佇まいが気に入っています。

以上が今の僕の使い方ですが、用途は他にもいくつか考えられます。
例えば、玄関に置けば靴を脱ぎ履きするときに座る用の椅子になるし、ソファ横に置けばサイドテーブルとして使えます。


もう少し背の高い台と一緒に使えば、靴磨き用の椅子としても使えそうです。

このように、かなり汎用性の高いスツールです。
見た目が美しくて1脚で何通りにも使えるところに、名作椅子であることの所以・デザインとしての完成度の高さが伺えますね。
カッシーナ以外で買うという選択肢

そんな素晴らしいベルジェスツールですが、カッシーナで買おうとすると結構なお値段がします。
カッシーナでの価格は税込みで¥178,200。
「これはアート作品なのだ!」と思えば納得できない金額でもないですが、それでも買うには勇気のいる価格です。

だからこそ買おうかどうかずっと迷っていたのですが、あるとき偶然、木目が美しい個体がフリーマーケットでだいぶ安く売られているものを見つけました。
これならば買える!ということで購入した次第です。我ながらいい買い物をしたなと思います。
オリジナル品は数十万円〜百万円を超える価格で取引されることもあるようですが、復刻版やリプロダクト品なら、オークションやフリマなどで安く手に入れられるようです。
欲しいけどちょっとお値段的に悩ましい…という方は、カッシーナ以外でも探してみると、案外いい個体に出会えるかもしれません。
そこにあるだけで、空気感を変える椅子

小さな椅子ですが、そこにあるのと無いのとでは、空間の印象がまるで違って見えます。
ベルジェスツールを配置したことで、お部屋の上質感がワンランク上がったような印象。名作椅子は、場の印象をここまで変えてくれるものなのか…。
お部屋に置いてみて改めて思いましたが、美しい実用品はアートになりますね。
日常の道具にこそ、こだわりの上質なアイテムを取り入れるということが、日々豊かな気持ちで生活する為の秘訣かもしれないなと思いました。
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