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植物を枯らさないための「ロジカル水やり」

セリアの多肉植物(造花)サボテン

観葉植物が枯れる原因としてよく挙げられるのが、水やりミス

「水やり3年」とも言われるように、水やりは植物栽培で最も難しい技術とも言われているそうです。
※マスターするのに3年くらいかかるという意味。

僕も以前は水やりミスで枯らしてしまうのが怖かったのですが、あるテクニックを取り入れることで、その不安が解消されました。その名も「ロジカル水やり」。

今回はその水やりテクニックについて紹介したいと思います。

水やりの難しいところ

ピアンタスタンツァのトーチ

水やりで難しいのが、タイミングです。

植物の種類にもよりますが、シビアなものだとちょっと水やりを間違えるとすぐにダメになってしまいます。

水やりに関してググるとよく出てくるのが「乾いたらたっぷり」「手で持って軽くなったらたっぷり」などという表現ですが、これは見た目や感覚を頼りにしているので、ビギナーにとっては判断が難しい。

乾いると思ったら乾いていなかった、たっぷり与えていると思ったらたっぷり過ぎた、みたいなことが起きて、失敗に繋がってしまいがちなのだと思います。

「ロジカル水やり」の開発

計量スケールと水やり道具

そこで、水やりのタイミングと量について、経験や勘に頼らない方法を考えました。

その方法は以下の通りです。

ロジカル水やりの概要
  • 水やりのタイミングは、鉢全体の重さを計量して判断する
  • 水やりの量は、その植物の原産地の降水量をヒントに算出する

これは比較的小型の観葉植物に使えるテクニックです。

僕のように室内で植物を管理している人には特に有効な方法だと思います。

水やりのタイミング

計量スケール

水やりのタイミングについては、日々鉢全体の重さを計量し、前日との重量の差が0~2g程度であれば乾燥している(=水やり時)と判断します。

参考にさせて頂いたのはこちらの記事。

「手で持ってみて軽くなったら」など感覚的に判断するのではなく、ちゃんと計量すれば良いじゃないという発想です。

もちろん、植物や環境によって適切な水やり時は異なりますから、一概には言えないと思いますが、少なくとも「乾いたら与えるのが適切な植物」については有効な手段と言えるのではないでしょうか。

水やり記録の例
僕はこんな感じで重さを記録しています。日々どれくらいのスピードで水が無くなっていくのかが分かります。

特に植物を室内で管理していると、外に置いている場合よりも乾きが遅かったりするので、表面だけをみて乾いているかどうか判断するのは結構難しかったりします。

見た目ではなく重さで判断すれば、乾いていないのに与えてしまって根腐れを起こすみたいなことは避けられるので、大幅にミスることは無くなると思われます。

水やりの量

水やり道具

与える水の量については、以下の式に当てはめて計算します。

水やり量の算出方法
  1. 現地の年間降水量(A)を調べる
  2. 鉢の面積(B)を調べる
  3. (A)×(B)で、1年に必要な水の量(C)を算出する
  4. 年間の想定水やり回数(D)を算出する
  5. (C)÷(D)で水やり1回あたりの量を算出する

なんだか数学の問題みたいになっちゃいましたが、文系の僕でも簡単にできましたので恐れることはありません。

実際に僕が持っているサボテン(エピテランサ月世界)で、上の公式に当てはめて計算してみます。

1.現地の年間降水量(A)を調べる

原産地はメキシコのチワワ砂漠ということにしておきます(厳密には違うかもしれませんが大体合ってればいいので)。

以下Wikipediaの情報から、年間降水量は250mm(A)としました。

チワワ砂漠の年間平均降雨量は235ミリメートルで、150-400ミリほどの幅があるが、他の温暖砂漠エコリージョンよりも降雨量は多い。乾燥地帯の2⁄3ちかくは年間降雨量が225ミリから275ミリの間にある。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/チワワ砂漠

2.鉢の面積(B)を調べる

鉢は円形で半径は5.5cmとします(この鉢は上部と下部で直径が異なるんですが、ここではざっくり中間くらいの値を採用しました)。

円の面積は半径×半径×3.14なので、
面積=5.5cm×5.5cm×3.14=94.985㎠(B)

なお、あまりにも植物の大きさに合っていない鉢を使っている場合はこの時点で適切じゃない数字が出ちゃうんでご注意ください。

3.(A)×(B)で、1年に必要な水の量(C)を算出する

面積×高さで体積(=水の量)が求められるから、
(A)×(B)=94.985㎠×25cm(250mm)=2,375㎤

1㎤は1mlだから、1年に必要な水の量は2,375ml(C)であることがわかりました。

(B)をmmからcmに直している点にご注意ください。

4.年間の想定水やり回数(D)を算出する

年間の水やり回数は、ざっくりした見立てから割り出します。

今回は水やりをざっくり月に2回、休眠期間(サボテンは水を与えない期間がある)は3ヶ月間と仮定して算出することにします。

つまり休眠期間を除いた9ヶ月が水やり期間だから、
年間の想定水やり回数=9ヶ月×2回=18回(D)

回数は一度水やりしてから乾くまでの日数を測ってみて、そこから逆算するでも良いかもしれません。

5.(C)÷(D)で水やり1回あたりの量を算出する

最後に、1年に必要な水の量(C)を年間の想定水やり回数(D)で割って、水やり1回あたりの量を算出します。

水やり1回あたりの水量=2,375ml(C)÷18回(D)=132ml

これで水やり1回あたり約130mlという目安が算出できました。

算出した回数と量を大幅にずらさなければ、現地と同じような降水量を再現できるはず。

現地とは違う環境の中で、現地と同じ降水量に揃えるのはちょっとおかしいかもしれませんが、僕のようなビギナーは何らかの目安があった方が安心できる。なので僕はこの方法で目安を算出することにしています。

僕が持っているサボテンの場合、実際に130mlの水を注ぐと、ちょうど鉢から水が流れ出てくる程度になったので、あながち間違ってはいなさそうです。

タイミングと量に基づいて水やりを実施

エピテランサ月世界アップ

水やりの際も重さを計量しながら与えるといいです。そう、ちょうどコーヒーのプアオーバーと同じように。

1ml=1gなので、130ml与える場合は130g入れればOK

以下のようなアイテムがあると加減しやすくて便利です。

水やりの通説を疑ってみる

水やりはなぜ、「たっぷり、底から出るまで」と言われるのでしょうか?

ググったり書籍を調べたりすると色々な通説が出てくるのですが、正直ちょっとよく分からないなーと思うことが多いです。

ここでは僕がメインで育てているサボテン・多肉植物に照らし合わせて、水やりの通説について軽く調べてみたことをまとめます。

老廃物を流し出す説

表参道CIBONEのサボテン2

老廃物を流すために鉢から水が出るくらいたっぷり与えるのだ!」って説明はよく見かけますが、これは本当なのでしょうか。

老廃物とはいったい何なのかが具体的に解説されているソースが無く、ちょっと謎です。

あり得るとしたらアレロケミカル(他感物質)というやつですかね。

ただ上記参考リンクでものべられていますが、多肉植物においては、根から他感物質が出ているというハッキリしたエビデンスは無さそうです。

自分で動けない植物が老廃物的なものをバンバン出す自滅行為をしているってのも何か変だなぁと思うし、それこそ砂漠とかは老廃物を流してくれるであろう雨も少ないわけで、水をたっぷり与える理由の説明になっていないような気がします。

土の中に新鮮な酸素を送り込む説

表参道CIBONEのサボテン1

根も細胞だから呼吸している、だから水やりで新鮮な空気を入れてあげるのだ!」って説。

もっともらしく聞こえるんですが、日本植物生理学会さんのコメントによると、仮に根が酸欠状態になった場合は、植物は地上部からの酸素供給を増加して個体の生存を図るとのこと。

これも砂漠のような雨の少ない環境においては新鮮な酸素が送り込まれにくいわけだから、説明にちょっと納得感がありません。

ちなみに酸素じゃなくて二酸化炭素なら吸収するのかってのも気になって調べてみましたが、こちらはほぼエビデンスが無いみたいです。

少量だと逆効果説

エピテランサ月世界

あまりに少ない量の水やりだと、逆に鉢内の水分まで上方向に上げてしまい蒸発し、より鉢内の水分が欠乏するのだ!」という説。

さらにいうと、養分と水分の動きが土層の下部から上部になると養分の中の塩類が土の表面に移動・集積し、土がアルカリ性になっちゃう(=アルカリ性に弱い植物はダメになる)らしい。

これはあり得るかも…と思える説明でした。

自然界とは違って、鉢に植えているという環境下では起こり得ることなのかなぁという気がしました。

この説は園芸「コツ」の科学という本に書かれていたのですが、逆にWebサイトではあまり見かけない説明です。

非常にそれっぽい話ではあるのですが、本当かなぁという気もしていて、何ともモヤっとした気持ちではあります。

現時点での僕の解釈

オーガスタ

というわけでいくつか通説をご紹介しましたが、いずれの説も納得いかない、というのが僕の感想であります。

では、乾いたらたっぷり水やりする理由は何なのか?というと、僕の考えはわりとシンプルでして、「その方がデカく丈夫に育つから」です(笑)

どういうことかというと、土が乾く → 植物が水を求めて根を伸ばす(=根が発達する) → 根が発達するとより水分や養分を吸収するようになる&植物自身をしっかり支えられるようになる → だからデカくなる、というメカニズムであるということ。

上記のサイクルによって植物がよく生長してくれるから「しっかりと乾いてからたっぷり与えよう」と言われているのではないかと思いました。

なんだかすごく普通の結論になった感がありますが、これが最もしっくりくる説明なんですよねぇ…。

もしこれが合っているとすると、やはり土が乾いたタイミングを見極めるのがめちゃくちゃ重要ということになります。

ロジカル水やりなら、土が乾いたタイミングを的確に察知できるので、なかなかよろしいのではないでしょうか。

ロジカル水やりで得られるメリット

サボテン用の温湿度計

ロジカル水やりは的確にタイミングを察知できる方法なのに、なぜこういったやり方が広まっていないのか不思議です。

これは完全に僕の推測ですが、ロジカル水やりが普及していないのは、

  • 単純に計測が面倒くさい
  • 屋外育成で天気に合わせて育てるのが一般的
  • 水やりがそんなに難しいものだとは認識されていない

あたりの背景が関連しているんじゃないかなぁと思いました。

特に「面倒くさい」ってのはあり得る話で、植物好きはどんどん植物を増やしていきがちだと思いますから、大量に育てている場合は1鉢ずつ細かい計測なんてやってられないと思うんですよ。

同じ理由で、たくさんの植物を管理している植物屋さんもこのような水やり方法はやっていないだろうし、勧めてもいないでしょう。

ロジカル水やりは、僕みたいに少数の比較的小型の観葉植物を育てている人向けのやり方だと思います。

植物育成ライトとシェフレラ

今回紹介したロジカル水やり法が正解である保証は全くありませんが、1つ確実に言えるメリットは、振り返りが可能になるということです。

ロジカル水やりは、仮に失敗したとしても(記録していれば)どのタイミングでどれくらい水やりしたかのデータが残るから、振り返りをして次に活かせます。

これは勘で水やりをして振り返りもできない状態よりは、断然いいはず。

勘でやってたら確かに習得に3年はかかってしまいそうですが、しっかり記録してPDCAを回せばもう少し早く習得できるんじゃないかなと思う次第です。

なので僕はしばらくロジカル水やりを続けてみようと思っています。

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