お気に入りの偏愛アイテムを語るこのシリーズ。
第15回目は「竹俣勇壱のお皿&カトラリー」について。
どんな料理でも映える、まるでアンティークのような佇まいの美しい食器です。
竹俣勇壱さんの金属作品
竹俣勇壱さんは、金沢を拠点に活動されている金工作家。
金属の板を金槌で叩いて作る鍛金(たんきん)と呼ばれる技法で、様々な作品を創作されています。
色んなアイテムがありますが、僕が特に好きなのはステンレスで作られた食器類。
使いやすくてお手入れが簡単、それでいてアンティークのような風合いがあり、めちゃくちゃカッコいいんです。
お皿
さっそく、僕が持っているアイテムを紹介していきます。
まずはお皿から。
リム皿 L
シンプルな形状のリム皿。
直径は20.5cmで、最も汎用性の高いサイズではないかと思います。
実際、このサイズのお皿を一番よく使う。
メイン料理を乗せるのに使っていて、後述の輪花皿と気分によって使い分けています。
輪花皿 L
花を連想させるシルエットが特徴の輪花皿(りんかざら)。
ステンレスの冷んやりとした印象と、花の華やかな印象が組み合わさって、普通のお皿とはちょっと違った雰囲気があります。
リム皿とともに大変気に入っていて、日々の料理皿として愛用しております。
輪花皿 S
こちらは上の輪花皿のSサイズ。
ちょっとしたおつまみや、小さめのデザートを乗せるのに使っています。
また、食べ物を乗せる用途以外にも使っていて、調理中のお玉などを一時置いておくお皿としても活躍しております。
カトラリー
続いてはカトラリーのご紹介。
NEW スプーン
比較的新しい、NEWシリーズのスプーン。
一見なんの変哲もないスプーンに見えますが、手にするとずっしりと重く、アンティークのような質感がめちゃくちゃカッコいい。
普通のスプーンとは全く違い、初めて手にした時は感動しました。
現代人の食べ方に合うように計算されたデザインとのことで、使い勝手も良いです。
このように持ち手の中心がV字に立ち上がり、先端が内側に反り上がったシェイプは、カトラリーの定番ともいえるデザインで、1700年代頃にヨーロッパで生まれ、時代に合った材料や製法によって受け継がれてきました。日本に伝わったのは明治に入ってからですが、そんな日本人がはじめて触れたカトラリーのようなノルタルジックな雰囲気は残しつつ、現代人の食べ方に合うように、口に触れる部分のサイズとかたちに、特に気を配っています。
引用元:https://madamefigaro.jp/interior/series/utsuwa-dictionary/190519-utsuwa-takemata.html
NEW フォーク
NEWシリーズのフォーク。
シュッとした印象のフォークで幅広い食事に使いやすく、僕はパスタを食べるときなんかによく使用しています。
このサイズ感は、実際に竹俣さんがレストランに通って日本人の食べ方を観察し、日本人が使いやすい大きさを割り出したのだとか。
ヨーロッパのスプーンは、料理をすくう部分がとても大きく感じられます。でも日本人と欧米人は体格こそ違いますが、口の大きさにはさほど違いがないのではないかと思ったので、レストランに通って、食べ方の違いを観察してみたんです。すると日本人は、スプーン全体に料理をのせて、すくう部分のほとんどをを口の中に入れて食べる。反対に欧米人は、スプーンの先で料理をすくって、そこだけ口に入れて食べることに気づきました。そこで、すくう部分を少し縦長にして、日本人の食べ方にあうよう工夫し、フォークやナイフはそれに合わせてサイズを割り出していきました。
引用元:https://madamefigaro.jp/interior/series/utsuwa-dictionary/190519-utsuwa-takemata.html
NEW ナイフ
NEWシリーズのナイフ。
ナイフを使って食べたい料理を作った際に重宝しています。
これは竹俣さんの作品全般に言えることですが、1本1本人の手で磨き上げているから、工業製品にはない、使い込んだような独特の雰囲気があります。
それでいて、ステンレスだからケアも簡単で長く使える。非常に気に入っています。
スプーン M
mononoguというシリーズの柄が細いスプーン。
このサイズのスプーンは、エスプレッソに砂糖を入れるときや、料理の味見をするときなんかに重宝しています。
今まで料理は味見をせずに作っていたんですが、味見をした方がクオリティが格段に上がることに気づきまして、最近はよく料理中に愛用しております。
フォーク SL130
mononoguシリーズのフォーク。
この華奢なフォークは、アヒージョを作ったときによく使用しています。
僕はストウブでアヒージョをよく作るんですが、具を刺すのにこのサイズが丁度いい。
また、ちょっとしたデザートを食べるときにも役立っております。
小さなアイテムでありながら、随所にアンティークのような質感が感じられます。
スプーン SL130
mononoguシリーズのスプーン。
「一体何に使うの?」と思われそうなほど小さなスプーンですが、僕は主に小瓶に入っている調味料を取り出すときやコーヒーの攪拌ドリップ※をする際などに使っております。
攪拌ドリップ用のスティックって案外選択肢が少ないと思うんですが、これを攪拌ドリップに使うのは我ながら結構良いアイデアじゃないかなと思います。
※攪拌ドリップとは、コーヒー抽出時に粉をスプーンでかき混ぜる抽出方法。浅煎りの豆の味を引き出したいときにたまにやる。
レンゲ L
mononoguシリーズのレンゲLサイズ。
こちらは以前、偏愛アイテムシリーズvol.9の記事で詳しく書いたことがありました。
上の記事でも紹介している通り、コーヒーを淹れるときにコーヒー豆をすくって計量する際に使用しています。
すくう部分の面積が広いので、鍛金によるデコボコとした質感がより一層感じられるアイテムです。
使い心地
肝心の使い心地ですが、大変満足しています。
見た目だけじゃなく使い勝手も考えられて作られているだけあって、とても使いやすい。
お皿は単品で見るとアンティークみたいな侘びた佇まいが美しいですが、料理を乗せるとその存在感はスッと息を潜めて、料理を主役として引き立ててくれる。
そこにお揃いのカトラリーを合わせれば、何だか高級なレストランに来たような気持ちになり、ちょっと気分が高揚します。
ステンレスだから割れる心配がないし、気を使わずにガシガシ使えるところも魅力ですね。
あえてデメリットを挙げるとすれば、レンジは使用不可であること、お皿をめちゃくちゃ冷たいテーブルに直置きすると熱伝導で料理が冷めやすい、ってことくらいでしょうか(僕はそれほど気になりませんが)。
NEWシリーズのカトラリーに関してはデメリットが見当たらないので、初めて竹俣勇壱作品を購入する際はこのカトラリーから手を出してみるといいかもしれません。
美しさという機能
竹俣勇壱さんの食器を使ってみて思ったのは、美しさも機能の1つであるということです。
竹俣さんの食器は思わず使いたくなるし、使う度に良い気分になる。
これは単に見た目が美しいだけじゃなくて、「使いやすく、料理を引き立ててくれる」という機能を含有した美しさがあるからこそなのだと思います。
以下の雑誌で竹俣さんのカトラリーが特集されており、美しさへのこだわりも語られていましたので、ご興味ある方はぜひ読んでみてください。
Web上にも、竹俣さんのものづくりの考え方を垣間見れる良質なインタビュー記事がいくつかありましたので、参考までに貼っておきます。
僕は竹俣さんのアイテムで食器周りを揃えることで、毎日の食事が格別の体験に変わりました。
本当に良い道具というのは日常の体験をも変えてしまうのだなぁと、使う度にしみじみと感じております。
<取扱店について>
竹俣さんのアイテムは人気なので品薄のときは全然手に入らないんですが、作家さんの商品を扱っているいくつかのお店で取り扱いがあります。
複数の取扱店がありますが、僕がよく利用するのはこのへん。
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