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偏愛アイテムを語るvol.29「M35モーターサイクルコート」

偏愛シリーズ

最近、M35モーターサイクルコートにどハマりしております。

M35モーターサイクルコートは、フランス軍のバイク部隊のために作られたオーバーコートです。

完成度が高く、フレンチミリタリーの中でも屈指の名作と言われているアイテム。気に入りすぎて、秋冬のアウターとしてこればかり着ています。

M35モーターサイクルコート

M35モーターサイクルコートと手袋着用画像

僕が着ているのは、1940年代のヴィンテージモーターサイクルコート

デッドストック(未使用品)もので、超美品の個体を入手しました。奇跡。

冒頭でも軽く触れましたが、M35モーターサイクルコートとは、フランス軍のバイク部隊のために作られたコートです。

迫力満点のAラインシルエットで、圧倒的存在感。羽織った姿からは、何か覇気のようなものすら感じます。

M35モーターサイクルコートと腕組み

また、このモーターサイクルコートはディテールもかなり面白い。

  • 風を防ぐ為のチンストラップ
  • バイクにまたがる際、切れ込みの深さを変えられるセンターベント
  • 中に着たジャケットにアクセスする為の貫通ポケット
  • 風でバタつかないよう、コートを脚に固定する為のアジャスターベルト

など、バイク乗りならではの機能的なディテールが随所に見られます。

M35モーターサイクルコートと脚固定ベルト
風でバタバタしないように、脚に固定できるアジャスターベルトが付いている。このコートでしか見れない、面白いディテール。

脚に固定する為のアジャスターベルトなんかは内側に付いているものなので、もちろん表からは見えません。

しかし、こういう見えないところの工夫・機能性が心をくすぐるんですよねぇ

M35モーターサイクルコートの袖アジャスター
袖にもアジャスターベルトが付いていて、ここを絞ることで風の侵入を防ぐ。

ちなみに僕が持っているのはコットン100%のもので、厚手のキャンバス生地で作られたモノです(※モノによってはリネンで作られたバージョンもある)。

去年よく着ていた木間服装製作の帆布コートもコットン100%の生地ですが、モーターサイクルコートの方がより厚手の生地感。

参考:木間服装製作の帆布コート

故に防寒性が高く、ボタンを全部留めると意外なほど暖かいです。冬のアウターとしてもしっかり活躍してくれます。

色々な着こなしができる面白さ

M35モーターサイクルコートは、色々な着方ができるという点も魅力の1つです。

着こなし方で雰囲気も結構変わるので、色んなコーディネートが楽しめます。着用画像と共に、いくつかパターンをご紹介しましょう。

ボタン全開スタイル

M35モーターサイクルコートボタン全開スタイル

ボタンを全て開けてバサっと羽織ったスタイル。大迫力のAラインシルエットです。

秋や春のそんなに寒くない日は、こんな感じで羽織ると良いかも。

M35モーターサイクルコートのベルトをポケットに入れる

この着方をするときベルトは使わないので、貫通ポケットに通しておくといいです。

ちなみに後ろ姿も衝撃的にカッコ良く、圧倒的存在感を放っております。

トップボタン留めスタイル

M35モーターサイクルコートトップボタン留めスタイル

上のボタンだけ留めたスタイル。別名、てるてる坊主スタイル。

こうするとAラインがより強調されますね。チンストラップを立ててもいい感じです。

ボタン全留めスタイル

M35モーターサイクルコートボタン全留めスタイル

ボタンを全部留めたスタイル。

こうすると、厚手のキャンバス生地がしっかりと風を防いでくれます。

ボタン&ベルト留めスタイル

M35モーターサイクルコートボタン&ベルト留めスタイル

ボタンを全留めして、腰のベルトで軽くウエストを締めたスタイル。

この写真では、ベルトは金具を通して固定しています。こうするとトレンチコートみたいな雰囲気になりますな。

チンストラップ留めスタイル

M35モーターサイクルコートチンストラップ留めスタイル

襟を立ててチンストラップを留めたスタイル。

こうするとさらに防寒・防風性が高まり、かなり暖かくなります。ここへマフラーやネックウォーマーを組み合わせたら、真冬でもかなり暖かそう。

ベルトは金具を通すのではなく、ラフに結んでみました。個人的にはこのスタイルがかなりお気に入り。

コートonコートスタイル

コートと後ろ姿

上着の上からガバッと羽織れるオーバーコートなので、コートの下にはジャケットでもセーターでも、何でも着れます。

試しにあんまやっている人が居なさそうなコートonコートを試してみましょう。

テアトラのデバイスコート

こちら僕が気に入ってよく愛用しているテアトラのデバイスコート。

この上にモーターサイクルコートを羽織るとこんな感じになります。

デバイスコートの上にM35モーターサイクルコート
デバイスコートが薄手だから、着心地も違和感なし。こうすると、冬でもデバイスコートが着れちゃいますね。

全く違和感無いですな。

モーターサイクルコートは貫通式ポケットしか付いていないので、単体では収納性がゼロです。

そこに圧倒的収納力を誇るデバイスコートを合わせることで、収納力を補いました。なかなか面白いコーデじゃないでしょうか。

着こなしのコツ

M35モーターサイクルコートボタン全開スタイル

モーターサイクルコートはただ羽織るだけでもカッコいいと思いますが、以下の点を押さえるとよりカッコ良く着こなすことができます

着こなしのコツ
  • ウエスト周りのシワ伸ばす
  • ウエストベルトはちょっと下げる
  • 襟を立体的にする

ウエストのベルトを締めると生地が寄ってシワができると思うんですが、このシワを少し伸ばすように形を整えると綺麗に見えます。

バイクに乗ることを前提に作られているので、ウエストベルトは若干上の方に取り付けられています。

縫い付けられたウエストベルト
ウエストベルトは背中の方に縫い付けられています。縫い付け式は着てみると結構便利です。

なので、ウエストベルトを締めるときは気持ち緩めにして、前側を少し下げるようにすると見た目のバランスが良くなります。

襟は好みによると思いますが、後ろの方を少し立ち上げるようにすると、立体的に見えてカッコいいと思います。

M35モーターサイクルコートとデンツの手袋
手袋を合わせるとこんな感じ。

バイクに乗るとき用のコートとして作られたものだから、革の手袋もめちゃくちゃ合う。カッコいいので、是非とも組み合わせたいところです。

ちなみに僕が着けているのはDENTS(デンツ)のELTONという革手袋です。

サイズ選びのコツ

M35モーターサイクルコートチンストラップスタイル

モーターサイクルコートは、1回りか2回りくらいオーバーサイズで着るのが断然オススメです。

これまでの写真で気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、僕は結構オーバーサイズで着用しております。

オーバーサイズなM35モーターサイクルコート

首元に番号が書いてありますが、これはサイズではありません。サイズとして扱っているショップもありますが、個体差がデカすぎるので当てにならないです。

M35モーターサイクルコート内側のナンバー
「6」と書いていますが、この番号が何なのかは諸説あるらしい。

実際に試着しつつ決めるのが一番ですが、ネットショップ等で買う場合は実寸を参考にするしかありません。

最も失敗しやすいのは、おそらく裄丈・袖丈でしょう。

かく言う僕も実は一度サイズを見誤り、再度買い直しております(なのでモーターサイクルコート2着持ってます…笑)。

こちらちょっと袖が短かった個体。と言っても、そこまで気にならないレベルですが。こっちはユーズドのヴィンテージでボタンも一つ欠損しているものなので、悪天候時専用などにしちゃおうかなと思っております。

モーターサイクルコートはバイクに乗るシーンを想定して作られているので、その態勢に合わせて袖が短めに作られています

だからジャストサイズを選んじゃうと、どうしても袖が短めになっちゃうことが多いみたいなんですよ。

M35モーターサイクルコートとデンツの革手袋

普通にアウターとして着るなら、袖はむしろ少し長めの方が良いです。ジャストや短めだと、インナーのジャケットなどの袖がはみ出してしまいますので。

なので、着たときに裄丈・袖丈がちょい長めになる個体が狙い目です。多少オーバーサイズになっても変にならないので、思い切って大き目をチョイスしちゃってOKかと。

ヴィンテージモーターサイクルコートは年々球数が減ってきているようなので、良い個体を見つけたら早めに買っておいた方が良さそうです。

楽天なんかでもいくつか見つかりますけど、美品のデッドストックはなかなか出てこないですねぇ。



無骨さとエレガントさの共存

M35モーターサイクルコート正面

冬のアウターと言えばダウンジャケットやダウンコートという選択肢もありますが、僕はM35モーターサイクルコートの方が断然好きです。

ダウンはモコモコと着膨れしやすくて、スタイル的にあんまり好みではありません(もちろん、カッコいいダウンもいっぱいありますが)。

一方、モーターサイクルコートは無骨さとエレガントさが共存しており、どことなく品のある感じが好みです。

M35モーターサイクルコート斜め横から

ミリタリーものなんだけど、その中に上品なドレス要素も感じられる形とシルエット。

カジュアル過ぎずドレス過ぎないから、シーンを選ばず着られるところが気に入っています。

厚手のキャンバス生地でめちゃくちゃ丈夫だから、ヘビロテしても問題無し。むしろ、着れば着るほど経年変化でカッコよくなっていく

ようやく、長く付き合える相棒と呼べるアウターに出会えた気がします。

コメント

  1. KOH より:

    件のデッドストックはこのコートでしたか!
    状態の良さや格好良さもさることながら、
    希少性や偏愛性、単体での機能性や
    特にコートオンコートのフレキシブルさと其々の
    着こなし提案の熱量も伝わる偏愛×偏愛の相乗効果。
    …あぁ、羨ましいとめちゃくちゃ思います!
    アトリエコートで自分も奇跡を起こしたい…!
    機能だけではなくこの様々な要素の絡み合いが
    偏愛する事は愉しいんですよね。
    ミニマログさん、これはもう…バイクもいくしか笑

    レイヤーやダウンと言えば嬉しい発見がありまして。
    自分もダウン系使いこなせるかな?と感じる部分が…
    Ten cのレイヤーとして純正ライナーではなくドメブラの
    ドライバーズニットを迎えたのですがこれが大正解でした!
    暖房室内で、より違和感のない服装へ調整が出来るので。
    純正も所有欲的憧れがありますが価格と気軽な調整がネックで。
    外はOJJがニットは弱い濡れの懸念を無くし、
    内はニットがTen cで足りないと感じた防寒性を補う。
    ニットがそもそも単体でセーター兼カーディガンとしてもイケる。
    長く付き合えると思える偏愛×フレキシブルに
    自分も今年違う形で会えました笑

    • MINIMALOG(ミニマログ) ミニマログ|偏愛ミニマリスト より:

      >KOHさん
      コメントありがとうございます!
      はい!購入したデッドストックものはまさにこれのことでした!
      テアトラのデバイスコートは薄いので、単品では冬に着ることができなかったのですが、モーターサイクルコートと組み合わせることで冬もいけるようになりました!
      これでバイク乗ったらめちゃくちゃ格好いいことは間違いないんですが、そこまでは踏み出せませんw

      ドライバーズニットですか…!
      確かに、ニットを合わせたらかなり防寒性能が上がりそうですね!
      コーディネートの工夫でお気に入りの服を長く着ることができると、とっても嬉しくなりますよね!!

      • KOH より:

        偏愛×偏愛、デッドストック×現代機能的アウター
        ってのがホント良きですね!
        バイクは免許からなのですが…例えば歳取って
        珈琲一杯の為に好きな服で遠乗り、等は憧れです。
        お互い拘るので一歩踏み出すとヤバそうですねw

        ドライバーズ、購入する時の提案で
        コートのインナーにもカッコ良いですよ!と
        いつか迎えたいHEUGNのコートとレイヤーを試し
        しっくりきた事も理由の一つです。
        先述の他、巻物も減らせたり少し寒さの和らいだ日は
        長めのリブ袖を折り返さず手袋無し、偶にはリング付けたいので
        引き算ファッション対応◯なのもありおすすめです!

        • MINIMALOG(ミニマログ) ミニマログ|偏愛ミニマリスト より:

          >KOHさん
          知り合いでバイク乗り始めた人がいるんですが、コーヒー1杯飲みに遠出は実際やってました(笑)良いですよね。

          今年は色々な良品に出会えてよかったですね!来年もまた、よい出会いがありますように…!