New「江戸屋の洋服ブラシ」を公開

アガリの洋服ブラシ|江戸屋 手植え洋服ブラシ 別誂(べつあつらえ)

アガリの洋服ブラシ|江戸屋 手植え洋服ブラシ 別誂(べつあつらえ) 日用品

洋服のケアに江戸屋の手植え洋服ブラシを使っています。

江戸屋は1718年創業の刷毛・刷子(ハケ・ブラシ)専門店で、職人の手仕事を活かした製品づくりに定評があります。

この店の「万能洋服ブラシ」は、ウールからカシミヤまで幅広い素材に対応できるので、何にでも使い回せてとても便利です。

洋服ブラシ 万能タイプ 別誂(べつあつらえ)

江戸屋の洋服ブラシを手に持つ

こちらが江戸屋の「万能洋服ブラシ 別誂(べつあつらえ)」。

このブラシの最大の特徴は、毛足の長い純豚毛と、二段植毛と呼ばれる独特の技術が組み合わされていること

まず、素材として使われている純豚毛は、一般的な馬毛や化学繊維とは異なり、柔らかさと弾力を兼ね備えています。

江戸屋の洋服ブラシを手に当てる
手のひらに当てても痛くない、ごく軽い当たり。

豚毛はコシがあるので強めの弾力になりがちですが、江戸屋の洋服ブラシはとても軽やかな使い心地。

毛足の長い豚毛を絶妙な量で二段にして植え込むことで、ブラッシング時にかかる圧力と弾力がバランス良く調整されているのです。

江戸屋の洋服ブラシ二段植毛
根元に短い毛が植えられている。これが二段植毛。

この絶妙な加減が、他のブラシにはない使い心地を生み出しています。

ブラシは職人が一本一本手作業で植毛しています。

毛先を切り揃えることなく、自然の毛先のままで位置を調整しているらしい。非常に手間のかかりそうな作業ですね。

江戸屋の洋服ブラシでカシミヤストールをブラッシング
ジョシュアエリスのカシミヤストールをブラッシング。生地を傷つけることなく、繊維が揃う感じ。

実際に使ってみると、ブラッシングの際に適度な力が伝わるのですが、生地が傷まないような優しくて軽い使い心地です。

適度な弾力と柔らかさで、生地に優しく埃を払う。その動作が心地よく、自然とブラシを使いたくなるような感じ。

これなら確かに、ウールなどしっかりした素材からカシミヤのようなデリケートな素材まで幅広く使えるなと思いました。

江戸屋の洋服ブラシ裏面

ちなみに、江戸屋には「別撰(べっせん)」という似た名前の洋服ブラシもあります。

別誂(べつあつらえ)との違いは毛量で、別誂(べつあつらえ)の方が毛量が多く、より密度の高い仕上がりになっています。

江戸屋の靴ブラシ

僕が江戸屋を知ったのは、7年前に靴ブラシを購入したのがきっかけです。

この靴ブラシが本当によくできていて、7年使用していますが全く劣化が見られません。

江戸屋の靴ブラシホコリ払い用
特にこのホコリ払い用の馬毛ブラシは毛の密度が半端なく、かなり使いやすい。今や人気すぎて入手困難品となっています。
靴だけでなく、レザーエプロンのメンテなど靴以外のレザー用品にも使っています。

ガシガシ使っているのに、全くへたれない丈夫さ。

洋服ブラシも同様に、長く愛用できる道具だと確信しています。

他の洋服ブラシと何が違うのか?

江戸屋の洋服ブラシ俯瞰

実は6年ほど前、他社の洋服ブラシを使っていたことがあります。

そのブラシも手植え製法で、素材には馬毛が使われていました。

品質自体は悪くなかったのですが、江戸屋の別誂と比べると使い心地には違いがありました。

以前使っていた他社のブラシは、カシミヤやデリケートな素材に対しては少し硬すぎる印象があったのです。

「万能タイプ」と謳われていたものの、カシミヤに使うと毛羽立ちが心配になるような感触で、結局そのブラシはあまり使わなくなってしまったんですよね。

江戸屋の洋服ブラシで革ジャンをブラッシング
ジェームスグロースの革ジャンを着たままブラッシング。

一方、江戸屋のブラシは、毛がしっかりしているのに、ブラッシングの圧力がとても軽やか。

以前使っていた洋服ブラシとは違って、どんな生地でも痛める心配がありません

江戸屋のブラシは、コートやジャケットだけでなく、ニットやレザージャケット、さらにはカシミヤのストールにまで幅広く使っています。

一つのブラシでこれだけ多用途に使えるのは、やはり便利です。

再び洋服ブラシを買った理由

江戸屋の洋服ブラシ裏面俯瞰

昔買った洋服ブラシは、しばらく使った後、手放してしまいました。

そのブラシは理由はシンプルで、ほとんど使わなかったからです。

前述の通り、昔買った洋服ブラシはちょっと硬めの使用感だったので、ニットやカシミヤなんかにはちょっと使いづらかったんですよね。

失敗のミニマリズムアイキャッチ画像

しかしこれにはもう一つ背景があります。当時はそもそも「洋服ブラシを必要とするほど大切な服」をそんなに多く持っていなかったんです。

今にして思えば、少し早すぎる買い物だったと言えましょう。

当時は、なんとなく「持っていたらカッコいいから」という理由だけで洋服ブラシを買っていたのです(これぞ若気の至り…笑)。

偏愛クローゼット|服のアップデート

それから時が経ち、少しずつ大切な洋服が増えていきました。

このブログのコンセプトにもしている通り、「少しだけ、でも飛びっきり良いものを」という価値観が強くなり、上質なアイテムを少しずつ揃えるようになったのです。

例えば、ヴィンテージのデッドストックで手に入れたモーターサイクルコートや、長年憧れて悩んだ末に購入したレザーのシングルライダースジャケット。

最近は高価でなかなか手が出なかった英国のカシミヤストールも迎え入れました。

これらのアイテムは、僕にとって単なる消耗品ではありません。長く使って、エイジングを楽しみながら、大切に育てていきたいモノたちです。

江戸屋の洋服ブラシの毛先の弾力

そこで、洋服ブラシの存在が再び頭をよぎりました。

革ジャンって、革靴みたいに日々ブラッシングすれば、めちゃくちゃカッコよくエイジングするのでは…!?(みたいな)

特にレザーやカシミヤは、丁寧にケアをすることで、より一層美しい経年変化をしていくでしょう。

だからこそ僕は、洋服ブラシを再び購入しました。

信頼している江戸屋の洋服ブラシを選びましたが、実際に使ってみて、その選択は間違っていなかったと感じています。

アガリの洋服ブラシ

江戸屋の洋服ブラシと靴ブラシ

7年愛用している江戸屋の靴ブラシは、日々ガシガシ使っているにもかかわらず、毛の開きも抜け毛もありません。

洋服ブラシも同様に、きっといつまでも使い続けられるでしょう。

アガリという言葉は、もうこれ以上の到達点はないという意味で使われますが、僕にとって江戸屋の別誂はまさに「アガリの洋服ブラシ」です。

江戸屋の靴ブラシ

これほど偏愛する江戸屋ブラシですが、実は僕は実店舗を訪れたことがありません。

江戸屋ブラシの店舗は東京・日本橋にあるんですが、その店舗は歴史的な建物として国登録有形文化財に指定されています。

ブラシのラインナップは3,000種類を超え、店内には様々なブラシが所狭しと並んでいるらしい。

建物の価値といい、商品ラインナップといい、もはや博物館レベル。店内を眺めるだけでめちゃくちゃ楽しそうであります。

今度、時間を作って日本橋の店舗を訪れてみようと思っています。

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