お気に入りの偏愛アイテムを語るこのシリーズ。
第10回目は、僕が最近愛してやまないサボテン「エピテランサ 月世界」について。
このサボテンに出会ったのきっかけで、サボテンの魅力にハマりました。
月世界という名のサボテン
学名はエピテランサ・ミクロメリス(Epithelantha micromeris)。
日本ではサボテンに「サボテン和名」なる別名をつける文化がありまして、エピテランサ・ミクロメリスの和名は「月世界」といいます。
「別名をつける文化があった」と過去形になっていますが、ここ半世紀ほどに発見・生み出されたものには和名が付けられることは稀らしく、和名があるものは明治や大正、昭和初期につけられたものが多いらしい。(参考)サボテンの和名
遠目で見ると白い肌に見えますが、実は肌はサボテンらしい緑色。
近寄ってみると緑色の肌が見えなくなるくらい、細かな棘(トゲ)が密集して生えています。
このトゲは割と柔らかく、触っても痛くありません。
中央にドスンと太い幹があって、その周りに小さな子供が群生しているようなシルエット。
これを初めて見たとき、なんて美しいのだろうと思いました。
なんだか、花束のようにも見えるし、キノコのようにも見えるし、小さな木のようにも見える。
月世界という名の通り、本当に月に生えている植物なんじゃないかと思えるような、不思議な佇まいです。
モサモサと髪の毛みたいに生えた棘と、モリモリとした風貌が愛らしく、本当にお気に入りのサボテンです。
美術館のような植物屋にて
このサボテンを手に入れたのは、今年の1月に以下のWeb記事を読んだのがきっかけでした。
美術館のような植物屋「叢 – Qusamura」さんの特集記事で、僕はこの記事で初めて叢さんを知りました。
これをきっかけに叢さんのオンラインショップページを定期的に眺めるようになりまして、ある日、このエピテランサを見つけて一目惚れし、購入に至りました。
叢さんではユニークな風貌のサボテンが沢山紹介されていて、見ていて本当に面白いです。
接ぎ木されたサボテン
これは接ぎ木という園芸手法で、2つのサボテンを組み合わせたもの。
接ぎ木というものを初めて知ったのですが、接ぎ木をすると穂木のサボテンの生長スピードが3倍から10倍程度早くなるらしい。
接ぎ木については、こちらの記事がめちゃくちゃ面白いのでおすすめです。叢さんの店主が解説しています。
木化したサボテン
こちらは経年変化により、体の半分以上が木化したもの。
こうやって老化などにより木みたいになっていく現象なのですが、僕はこの姿もめちゃくちゃカッコいいと思います。
突然変異したサボテン
こちらは綴化という突然変異で、生長点が綴れ本来の姿とは違う形になった個体。
何とも言えない奇妙な風貌で、自然の不思議を感じます。
圧巻のアーカイブ
こんなふうに、叢さんでは個性豊かなサボテンの数々が見れます。
すでに売り切れてしまったものも過去のアーカイブとして見れるようになっていて、こちらも圧巻。※分かりづらいですが、ページの下に次ページへのボタンがあり、何十ページも続いています。
「サボテンはこんなにも個性豊かなのか!」と衝撃を受けたのを覚えています。
僕がサボテンに惹きつけられた理由
僕が思うサボテンの魅力は次の3つです。
① 唯一無二の個性
木化して骨董品のような侘びた風合いになった個体。突然変異で得体の知れない姿となった個体。
叢さんが〝いい顔してる植物〟をコンセプトにしているように、サボテンには本当に個性豊かな「顔」があって、それがものすごく面白い。
それぞれのサボテンからは、懸命に生きぬいてきた力強さや、時の流れを感じることができて、そこには1つ1つの異なるストーリーがあるように感じます。
そういった唯一無二の個性が、僕はすごく面白いと思うのです。
人間の世界(特に日本?)では個性的というのは時に敬遠されることもあると思いますが、サボテンの世界では逆に個性的なものを珍重する。
そういった世界観にも、僕は惹かれたのだと思います。
② アート作品のような美しさ
叢さんのサボテンを眺めていると、純粋に「カッコいい!」とか「可愛い!」とか「すごい!」というふうに、心が動く瞬間が何度もあるんです。
まるで、美術館でアート作品を眺めているのと同じようなワクワク感があるんですよ。
そもそもサボテンの種類がめちゃくちゃ多いのに加え、育った環境によって「顔」が全く違うものになり、さらに接ぎ木など人工的な創作性もある。
他の観葉植物には無いアート性を感じました。
規則正しく並ぶ棘や、色の変化した肌など、目を凝らすほどに面白く、見ていて全く飽きません。
③ 底知れぬ謎
日々大量の本やウェブサイトを読んでサボテンに関する情報をインプット中なのですが、知れば知るほど謎が多い。
例えば育て方1つを取っても、ググれば色々と情報は出てくるものの、科学的エビデンスに基づいて説明しているものは少ないように感じました。
あくまで僕の解釈なんですが、サボテンの世界は「明確な根拠は曖昧だけど、昔からそう言われているから」みたいな情報も結構多そうだなぁという印象を受けたのです。
それが悪いことだとは全く思わないし、「これが正しい」みたいに一概に言えない世界であることもわかるし、「水やり3年」と言われるようにスキルを経験的に身につけていくことも大切だと思います。
それでも僕は、そういった経験則だけじゃなくて、もう少し科学的・論理的に解明してみたいなという気がするのです。
よく分からないことを調べていくのは楽しいし、常識を疑って色々と実験してみる余地があるというのもまた面白い。
そういったよく分からないミステリアスな部分も、僕が惹かれた理由です。
新カテゴリー「サボテン」開設
サボテンについて調べていると、驚くようなことが分かったり、僕好みのマニアックなブログを見つけたり、毎日のように知的好奇心を刺激されて楽しいです(笑)
もしかしてサボテンは、一生楽しめる趣味なのではないだろうか…。
僕は長期的に楽しんでいきたい趣味をブログのカテゴリーにするようにしているのですが、この度新たに「サボテン」カテゴリーを新規追加しました。
このカテゴリーでは、色んな育て方の実験をしてみる企画だったり、サボテンを楽しむ上で役に立った情報やアイテムなども紹介していけたらなと思っています。
サボテンを育てるためにちょっとしたお部屋の改造も考えていて、そのへんの紹介も面白いかなと。
これも調べてみるとめちゃくちゃ奥が深いのです…!
僕の家は、庭無し・ベランダに置けない・日当たりそんな良くない、みたいな環境ですが、それでも工夫すればサボテンこんなに楽しめるんだよ〜ということが伝わるようなカテゴリにできたら良いですね。
そんなに更新頻度は高くないと思うんだけど、人生をより面白く豊かにしてくれたサボテンの魅力を、少しずつ紹介していけたらなと思います。
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