New「未来のバーチャル窓」を公開

未来の窓「Atmoph Window Yo」レビュー|使ってみた感想と設置して起こった変化

Atmoph Window Yoレビュー インテリア

Atmoph(アトモフ)の新作バーチャル窓「Atmoph Window Yo」を購入してみました。

この製品は、窓をイメージしたスマートディスプレイで、部屋にいながら世界中の風景を楽しめるというユニークなデバイスです。

僕が購入したのは、最新の第3世代モデル。使ってみた感想や、設置して生まれた変化について紹介します。

第3世代モデル「Atmoph Window Yo」の実力

Atmoph Window Yo設置直後

Atmophは2014年に京都で設立されたブランドで、世界初のスマートデジタル窓を開発したことで知られています。

その最新モデルであるAtmoph Window Yoを購入し、自室のデスク横に設置してみました。

本体に加えて、オプションモジュールであるWood Speaker Box(スピーカー)も併せて購入しています。

現時点(2025年1月現在)で、選べる風景は1,800以上。これが月額980円のサブスクリプションで見放題となります。

なおサブスクは必須ではなく、気に入った風景を1点590円から買い切りすることも可能。

Atmoph Window Yoと夕陽
季節や時間帯に合わせた風景映像を自動で流すことが可能。

ディスプレイはアンチグレア仕様になっています。光の反射が抑えられていて、できる限り自然な見た目で風景を楽しめるような設計。

「迫力の映像」とは謳われていますが、Apple製品のような「ハッとする美しさ」とは異なります

iPhoneなどの美しい画面を見慣れた人からすると、解像度的にちょっと荒さを感じるディスプレイです(遠目に見る分にはそこまで気になりませんが)。

また、ただ風景を見るだけでなく、その風景に関する解説も読むことができます。

Atmoph Window Yoの風景解説
風景の詳細説明を見ることも可能。

世界遺産の詳細からちょっとした豆知識まで知れるので、ただ眺めるだけでなく「学び」もあって面白いなと思いました。

「猫がいる部屋」など動物を含んだ風景も選べ、ほっこりする場面も多いです。

Atmoph Window Yoの猫がいる部屋
猫がいる部屋の風景。

ただし、このデバイスはまだまだ発展途上といった印象です。

後述しますが、特に機能面や動作には課題も多く、不具合も多数あり、完成形とは言い難い状態となっています。

バーチャル窓の効用

Atmoph Window Yo夜の街並み

Atmoph Window Yoを設置して、最も面白いと感じる瞬間は「予想外の風景が突然目の前に現れた時」です。

オートモードを設定し30分ごとに風景が自動で切り替わるようにしていますが、新しい風景がふと目に入るたび、心が少し躍るような気分になるんですよ。

Atmoph Window Yoの窓枠機能
映像内に窓を表示させて、窓っぽく演出することも可能。ただしCGの質感が嘘っぽいので、この機能は使っていません。

音もONにしっぱなしなので、スピーカーからは風景の自然音が流れ続けています。

音に関しては最初はちょっと慣れませんでしたが、しばらく使っていると環境音が心地よく感じるようになり、今ではむしろ作業に集中するためのBGMのような存在になりました。

スタンディングデスクとAtmoph Window Yo
僕は昇降デスクを使っているので、座っている時も立っている時も違和感の無い高さにAtmoph Windowを設置しました。この写真では机をスタンディングデスクモードにしています。

元々Atmoph Window Yoの背面には内蔵スピーカーが備わっていますが、オプションモジュールのWood Speaker Boxをセットで買ったことでサウンドが前面から出るようになったのも良かったと思います。

「風景をより楽しむなら音質も大事だろう」と考えてスピーカーもセットで購入したんですが、予想通り音に迫力が出て正解でした。

Atmoph Window Yo斜めから

ちなみにAtmoph Window Yoにはサウンドスケープという機能もあり、風景の自然音にランダムな音楽を重ねて再生することも可能です。

が、僕はサウンドスケープは使っていません。音楽というより、単に音が鳴るだけといった感じだからです。

サウンドスケープはピアノなどの音がランダムなタイミングで重なって鳴るもので、斬新な体験ではありますが、個人的には「美しい音楽」とは思えませんでした(結構期待はしていたんだけど)。

まぁ、風景の自然音が意外と良かったから、サウンドスケープが使えなくても別に問題ありませんが。

夜のAtmoph Window Yo
夜に観る景色もまた雰囲気がある。特に夜景など。

Atmoph Window Yoを設置したことで、部屋に「動的な変化」が加わり、ちょうど良い刺激になっています。

変わり映えしない部屋に「風景と音の変化」が取り入れられたことで、部屋の居心地が変わったように感じられます。

変化を好む人には刺さるプロダクトと言えるのではないかと。人によっては、気晴らしやリラックス効果も期待できると思います。

設置は公式の説明通りにやってはいけない

ハイパーフック かけまくり

Atmoph Window Yoを壁に掛ける場合、フックの取り付けが必要になります。

ネジや釘でもいいですが、賃貸物件の場合や手軽に設置したい場合は「ハイパーフック かけまくり」を使います(公式の推奨商品)。

フックは本体には付属していないんで、自分で購入する必要あり。

壁掛けガイドシート
これがAtmoph Window Yo本体に付属している壁掛けガイド。
壁掛けガイドを壁に貼る
このように壁に貼り付けて、目印に合わせてフックを取り付ける。
Atmoph Window Yo背面のフックかけ
Atmoph Window Yoの背面に引っ掛けるところがあり、こんな感じでフックに引っ掛けることになる。

ただしここで注意点があります。公式サイトの説明通りに作業を進めてはいけません

公式サイトでは、壁掛けガイドを最後に破って外すよう指示されていますが、これを実行するとガイドが再利用できなくなります

アトモフ公式の取り付け説明画像
引用元:Atmoph公式ページ https://support.atmoph.com/hc/ja/articles/900000125883-%E5%A3%81%E6%8E%9B%E3%81%91%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%82%92%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84

このように壁掛けガイドを破いてしまうと、後々後悔することがあります。

例えば、設置してみて「やっぱり少し高さを変えたい」と思ったときに、壁掛けガイド無しでは再設置が激ムズになるでしょう。

また、こういうものを壁に取り付ける際は、将来的に取り外して別の場所に再設置する可能性や、引っ越し等で再設置が発生する可能性も考慮しておくべきです。

アトモフの公式サイトから「壁掛けガイド+ハイパーフックのセット」を追加購入することも可能ですが、ハイパーフック単品で買うよりもだいぶ高くついちゃうんですよね。

ですから、公式が説明している方法はお勧めできないのです。

代わりに「壁掛けガイドの下部を折り曲げてガイドを破かずに取り付ける」という方法をおすすめします。

壁掛けガイドの間違った使い方
これはNGなやり方。
壁掛けガイドの下を折り曲げる
代わりに、壁掛けガイドの下部を折り曲げ、マスキングテープなどで壁にフックを仮留めする。
壁掛けガイドのみを引き抜く
位置が決まったら、壁掛けガイドを上から引き抜けばOK。これでガイドを破くことなく、正しい位置にフックを取り付けられる。

こうすればガイドを無傷で保管でき、後で再利用可能。壁掛けガイドは捨てずに保管しておきましょう。

Atmoph Windowを別の場所に再設置したいときは、ハイパーピンだけを購入すればOKです(フックは再利用できますが、ピンは再利用できません)。

Atmoph Window Yoの下部から出る配線

また、ディスプレイを壁に掛けただけだと、下から垂れ下がる配線が目立ちます。

これが「デバイス感」を強調してしまい、せっかくの窓らしさが損なわれると感じる方もいるのではないでしょうか。

コードがうまく隠れるように観葉植物やモノを置ければ良いですが、それができない場合は配線カバーを使うのがおすすめ

僕は配線を横に流すようにしてカバーを取り付け、できるだけコードが目立たないようにしました。

配線カバーを取り付け
奥の壁に沿わせたかったので、あえて横に流すように取り付けています。
配線カバーを取り付けたAtmoph Window Yo
遠目から見るとこんな感じ。

配線カバーは壁に直接貼り付けるんじゃなくて、マスキングテープを貼ってその上から貼り付けるようにすれば、壁が傷まないのでおすすめ。

まぁこの見た目は好みの問題ですが、カバーでコードを隠すことで、見た目の完成度がさらに一段引き上がると思います。

あくまで発展途上のプロダクト

Atmoph Window Yo斜め下から

Atmoph Window Yoはとてもユニークで面白いプロダクトではあるのですが、現状、多くの不具合や改善点があります(いずれもアップデートバージョンver. 1.0.41で確認)。

第3世代モデルともなれば、多少は洗練された感じになっているだろうと期待していたのですが、全然そんなことなかった…。

望遠鏡型コントローラー

例えば、オプションの望遠鏡型コントローラーですが、Bluetooth接続が不安定で使い物になりません

望遠鏡型コントローラーの間違った持ち方
こちらが望遠鏡型コントローラー。しばらく置いておくとBluetooth接続が切れて反応しなくなる。ちなみに写真のように横に持つのは間違いで、縦に持って操作するのが正解です(最初わからなくて混乱した)。

僕は結局スマホアプリに頼ることにしましたが、スマホでもBluetooth接続が途切れることがあり、操作にストレスを感じることがあります。

風景切り替えや画面のON・OFFはSiriショートカットに対応しているので、僕はiPhoneでショートカットを作ってコントロールセンターに配置して使っているんですが、このショートカットも接続不具合で使えないことがあります。

iPhoneショートカット
現状だと、消す・つける・変えるの3種のみショートカット登録可能。
コントロールセンターに配置したアトモフショートカット
これをコントロールセンターに登録。外出時にON・OFFするのに便利だし、風景切り替えも楽。
アトモフショートカットのエラー
ただし、スマホの方もたまに接続が切れてショートカットが機能しない。

また、オートモードのランダム性が低く、同じ風景が頻繁に表示される点も残念です。

ウルルの景色

1,800以上の風景があるにもかかわらず、「さっき見たばかりの風景」が再び表示されることが多いんですよね。どういう表示アルゴリズムになっているのか、思わず首を傾げてしまいます。

アトモフの公式ブログにはこんなことが書かれていました。

時間や季節に合わせて風景が自動で変わる「オート機能」を利用して、操作することすら忘れてほしいと思っています。

引用元:https://adventure.atmoph.com/5334/

その思想は素敵ですが、「オート機能」がイマイチだから、結局画面を切り替えるという操作をしなければならないという。全然操作することを忘れられません

表示させたくない風景は「オートモードで表示させない」という設定もできるんですが、1枚1枚Atmoph Window上で操作し設定しなければならないので手間です。それに「やっぱりオートで表示させたい」と気が変わった際に1枚1枚解除するのもまた面倒だと想像できます。

公式の説明によると、オートではLikeした風景や人気・最新の風景が多めに表示されるようになっているらしいんですが、求めているのはそういうことじゃないんですよね…。

Likeはただブックマーク的に使っているだけで、オート機能に期待しているのは「見たことのない風景との出会い」なので、見たばかりの風景が繰り返されるのはアップデートで急ぎ改善して欲しいところです(改善しなかったらサブスク解除しようかな)。

Wood Speaker Box

さらに、Bluetoothスピーカーとして使えるはずのWood Speaker Boxが機能しないという問題もあります。

Bluetoothで接続すれば好きな音楽を流せるとのことなんですが、その接続ができないんですよね。

Bluetoothスピーカーとしての利用を有効にする設定
設定からAtmoph Window Yoの設定から「Bluetoothスピーカーとしての利用を有効にする」をONにすればスピーカーとして使えるはずなんですが、これを設定しても接続できない。
iPhoneのBluetooth接続を見ると、Atmophが大量に表示されていてバグっている。

Xで調べてみたところ、同様の症状の人がいるようなので、おそらく不具合なのだと思われます。好きな音楽を流したいと思って、スピーカーモジュールを買ったのに…。

朝の山の景色

このように、まだまだ完成とは程遠い印象です。現時点では「未完成のプロダクト」と捉えた方がいいでしょう。

Atmoph Window Yoは予約販売だったのですが、実は発送予定の延期を何度か繰り返しており、当初の想定よりも数ヶ月遅れての到着となりました。

それが関係あるのかは分かりませんが、焦って発送を急いだように感じられます。これだけ不具合が多いと「未完成のまま販売された」感が否めません。

今後ソフトウェアアップデートで改善される可能性はありますが、過去の製品の開発状況を鑑みると、何も改善されない可能性も全然ありますね…。

あくまで実験的プロダクトということで、「アプデには何も期待しない」というスタンスでいた方が良いかもしれません(笑)

僕より奥様が気に入っちゃった

Atmoph Window Yoを設置したデスク

総括すると、Atmoph Window Yoは「完璧じゃなくても良いから、いち早くバーチャル窓を体験してみたい!」という人にならおすすめできるって感じでしょうか。

「窓型デザイン」かつ「独自の風景コンテンツが充実している」という点で今のところ他に類似商品が無く、世界と繋がる窓という独自のコンセプトはAtmoph Windowでしか体験できません。

記事内で述べた通り、まだまだ発展途上のプロダクトだと理解した上で、そこも楽しむ余裕があるなら購入するのは全然アリかと。

森の景色

また、ちょっと意外でしたが、僕よりも奥様がこのデバイスを気に入ってしまいました

奥様は元々旅行好きなので、世界中の綺麗な風景が見られる点に魅力を感じている様子。

奥様
奥様

これ良いじゃない。次の誕生日プレゼントに欲しいわ。

ファッ!?

みたいな会話もありました(笑)

Atmoph Window Yoは僕の部屋に設置していますが、たまに面白い風景が出た時は奥様を呼んで一緒に眺めたりしております。

今後はAtmoph Windowの風景を通して、次の旅行先候補が見つかったりするかもしれないですね。

このように「風景をきっかけとした新しいコミュニケーションが増えた」ということが、最も良かったことと言えるかもしれません。

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