お気に入りの偏愛アイテムを語るこのシリーズ。
第14回目は「Turk(ターク)の鉄フライパン」。
無骨でありながらアートのような佇まいが美しい、ドイツ製の鉄フライパンです。
Turk(ターク)クラシックフライパン 22cm&24cm
僕が持っているのは、クラシックシリーズの22cmと24cmモデル。
いずれも一人暮らしのメイン料理に丁度良い大きさではないかと思います(後ほど実際に作っている料理の写真が出てきます)。
タークには2種類のシリーズがある
タークには「クラシックシリーズ」と「プレスパン(ロースト)シリーズ」という2種類のラインナップがあります。
違いをまとめると以下の通り。
項目 | クラシック | プレスパン |
---|---|---|
製造法 | ハンドメイド | 機械生産 |
個体差 | あり | なし |
継ぎ目 | なし | あり |
網模様 | なし | あり |
クラシックは職人が1枚の鉄板を何度も叩いて成型したもので、取っ手と本体の継ぎ目がありません。ハンドメイドなので、個体差が大きいのが特徴です。
一方プレスパンは、戦後の需要増加に対応する為に開発された、機械生産の量産型シリーズ。クラシックと違って取っ手部分には継ぎ目があり、区別しやすいように網目模様が入っています(ただのデザインで、機能的な意味はないらしい)。
僕は「継ぎ目が無い」「個体差がある」という2点に魅力を感じて、クラシックシリーズをチョイスしました。
↓ちなみにこっちがプレスパンシリーズです(網目模様がある)。
タークはサイズも豊富なので、サイズ選びも悩みがちかもしれません。
しかしこれは使い方によるので、一概に「これがベスト」みたいなのは言えないと思います。
購入前に似たようなサイズのもので大きさのイメージを掴んでおくと、失敗が少ないのではないかと。
ちなみに22cmを手に持つとこんな感じです。
継ぎ目が無いことの利点
上述の通り、クラシックシリーズは取っ手の部分に継ぎ目がありません。
継ぎ目が無いことのメリットは、ケアが楽なことです。
昔、無印良品の鉄フライパンを使っていたことがあるのですが、使い終わった後に取っ手の継ぎ目部分に溜まった水分を飛ばす作業が少し面倒に感じていました。
継ぎ目が無ければこの面倒な作業は不要です。
ちょっとしたことですが、これだけで使い勝手が格段に良く感じます。
個体差を楽しむ
クラシックシリーズは、手作りなので形状に個体差があります。
つまりこれは工芸品であるということ。使えるアートと言っても良いでしょう。
ものによってはかなり歪んだ形の個体もあるようなんですが、あえてそのようないびつな個体を買い求める人も居るみたい。
画一性ではなく、個性を楽しむ。
これは工芸品ならではの面白い楽しみ方だと思います。
フック形状の秀逸さ
クラシック・プレスパン両シリーズ共通の話になりますが、持ち手の先端がフックになっている点も個人的には大好きなポイントです。
引っ掛ける場所さえあれば吊るしておけるので、収納が非常にラク。
僕の家はちょうどレンジのフード部分に出っ張りがあったので、そこに引っ掛けております。
吊るしておくと使いたいときにサッと取り出せるから、使い勝手的にも◎。
このように持ち手がフック状になっているフライパンは他にも探してみたんですが、案外なかなか無いみたい。
めちゃくちゃ便利なデザインなのに、他ブランドがほとんど取り入れていないのはちょっと意外でした。
実際に作っている料理
「タークは焼き料理が得意!」って紹介されていることが多いのですが、僕は特にこだわらず、フライパンで作れるレシピであればなんでも作っております。
フチが浅くて重量も重いので、フライパンを振ることは厳しいんですが、調理スプーンやトングなどでかき混ぜたりひっくり返したりできるんで、特に不便には感じていません。
結構なんでも作れますが、参考までに22cmのタークで作っている料理をいくつか載せてみます。
なお、調理中の持ち手部分は、ほんのり温かくなる程度なので素手で持てます。
ただし強火で長時間火にかけていると多少熱くなるので、そのようなときは布を巻くなどして持つ必要があります。
ターク×ストウブの組み合わせが素敵すぎる
蒸し焼きをする際には蓋(フタ)が必要になりますが、僕はストウブ鍋の蓋を利用しています。
22cmのタークに、20cmのストウブの蓋を合わせるとこんな感じ。
2cm違いですが、これがぴったりフィットするサイズの組み合わせなんです(※プレスパンシリーズは違うかもしれないので注意)。
どんな蓋を合わせても良いと思いますが、鉄のフライパンと鉄の蓋の組み合わせは、調理道具として圧倒的なカッコ良さがあります。
ストウブ鍋の蓋はピコと呼ばれる突起がついており、ここから内部の蒸気が滴り落ちることで美味しく仕上がるという仕組みなんですよね。
だから見た目だけじゃなく機能的にも優れているんです。
ターク×ストウブは、わりと最強の組み合わせなんじゃないかと思っております。
並行輸入品を買った結果
Amazonで並行輸入を購入した方々のレビューを見ると、「赤さびだらけ!」「ざらざらデコボコ!」といったヤバそうなコメントが散見されます。
ぜひAmazonの口コミを見てみてください。
買ってはいけなさそうな雰囲気しか感じません(笑)
少々不安がありましたが、それでも僕は並行輸入品を購入しました。
というのも、近頃はコロナ影響もありクラシックシリーズは生産が追いついていないらしく、正規品は品切れ状態で買えなかったからです。
ネットで買いましたが、実際に届いたときの状態はこちら(24cmの例)。
なんか汚くない?って思われるかもしれませんが、タークはこれがデフォルトであります。むしろこれはちょっと綺麗な方なんじゃないかと。
「かなり歪みまくったサビだらけの商品が届くかもしれない…」と覚悟していましたが、想像より綺麗な状態のものが届いて逆に拍子抜けしました。
販売店選びについて
並行輸入品を購入する場合、重要になるのはおそらく販売店選びではないかと思います。
タークのフライパンのように、個体差が大きくかつ保存状態が良くないとサビだらけになってしまうような商品は、しっかりと検品・管理している「ちゃんとした店」を選ばないと、粗悪品が届くリスクが高まると考えられます。
そこで僕が選んだ販売店は「Gulliver Online Shopping」さん。
以前別の商品で利用したことがあったんですが、丁寧な梱包かつ迅速な発送で返品方法も明示しており、好感を持っていました。
また、会社概要等を調べても特に違和感なく、日本流通自主管理協会加盟店であるなど、総合的に見て信頼できると判断。
22cm、24cmともにGulliverさんで購入しましたが、いずれも綺麗な状態のものが届きました。
ちなみにこちらが22cmが届いたときの状態。
並行輸入品を購入される際は、信頼できる販売店をチョイスすることをおすすめします。
新品と2ヶ月使用後の比較
2ヶ月ほぼ毎日使用したもの(22cm)と新品(24cm)を比べてみるとこんな感じです。
22cmの方はより黒くなって、表面がスベスベに変化してきています。
最初擦りすぎて銀色の肌が見えてしまっていたのですが、使っているうちに銀色の部分は見えなくなりました。
「フライパンを育てる」という表現がありますが、まさに使えば使うほど「育っている」と感じられて、日々愛着が増しております。
ケア方法
鉄フライパンと聞いて気になるのが「ケアが面倒くさくないか」ってところかと思いますが、そんなに面倒でもありませんでした。
使い始め・デイリーケア方法・焦げ付いた時の対処法は以下の通りです。
使い始め(焼きならし)
使い始めは以下の動画のように焼きならし作業を行います。
油はサラダ油が良いって話をどこかで見た記憶がありますが、サラダ油がなかったので僕はオリーブオイルでやっちゃってます。
デイリーケア
料理を終えたら水で洗い流し、火にかけて水気を飛ばして終了です。簡単ですねぇ。
バウンティみたいな厚手のキッチンペーパーがあると、洗い流すとき便利ですよ。
多少の黒こげみたいな汚れは、ゲキ落ちくんみたいなメラニンスポンジで擦ると取れます。
より汚れが気になるときは、食器用洗剤を使って洗うこともあります。
何度も使っていると表面がスベスベになってこびりつきずらくなってきますが、以下の作業をすると更にこびりつきずらくなりますよ。
焦げ付いた時の対処法
もしガンコな焦げが付いてしまったときは、以下の方法で簡単に取れます。
あとはデイリーケアのところで紹介している方法で油を馴染ませておけばOKです。
僕の経験上、フライパンに油が馴染んでいないうちは、小麦粉や片栗粉といった粉をまぶしたものを焼くとくっついて焦げ付きやすいので注意。
まぁ、この方法で綺麗に取れると知ってからは、特にビビらず何でも焼いております。
調理がより楽しくなる道具
タークのフライパンはほぼ毎日使っていますが、徐々に自分の道具として育っていく感じがとても楽しいです。
自分だけの道具として馴染んでくると、調理自体もより楽しくなってきます。
最近料理をする頻度が増えましたが、もしかしたら、タークを使いたいから増えているのかもしれません(笑)
22cmと24cmはコンパクトで取り回しがしやすいので大満足していますが、2人前など少し多めに作りたい場合などは、追加で26cmがあってもいいかもしれませんねぇ。
僕は「一生モノ」という言葉はあまり信じていませんが、このずっしりとした鉄の塊を手にすると、半永久的に使えるレベルの頑丈さを感じます。
もしかしたらタークは、本当に一生使える、数少ない道具の1つなのかもしれません。
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