ミューレのストレートレザー「Enthusiast Pro」を購入して約1年。
購入当初は、メインでミューレの両刃カミソリ(ROCCA)を使いつつ、時間的に余裕があるときにストレートレザーの練習をするみたいな使い方をしていました。
ただここ数ヶ月は少し忙しく、ストレートレザーを使う機会が大きく減ってしまっていたんですよね。
ところが面白いことに、先日久しぶりに使ってみたら、劇的に扱いが上手くなっていることに気がつきました。
いつの間にか上手くなっていた件

最初は「久々だから慎重にやらないとな」くらいの気持ちで使い始めたんですが、いざ剃ってみると以前とは明らかに感覚が違いました。
なぜか面白いほど上手く剃れるんですよ。
ストレートレザーって、刃を当てる角度や力加減などがめちゃくちゃ難しくて、以前はかなり恐る恐る剃っていました。
イメージとしては、「刃を何度くらいにすればいいんだろう」とか「ここはもう少し寝かせた方がいいかな」とか、頭で考えながら剃っていた感じです。

それが今は、肌に刃を当てれば何となく分かるようになっていました。
ここは刃を少し立てる、ここは寝かせる、ここは圧を抜くなど、そういう判断をいちいち考えずにできるようになったんですよね。
面白いのは、この数ヶ月ストレートレザーの練習なんて全くしていないことです。
使っていなかったわけですから、普通に考えれば下手になっていてもおかしくありません。
しかし実際は真逆、むしろ上達していました。
両刃カミソリより優しく感じる

両刃カミソリを使い始めてから、約2年半ほど経つでしょうか。
ここ数ヶ月は両刃カミソリのみを使っていたんですが、どうやら「両刃カミソリを扱う技術」が極まって、ストレートレザーの扱いも知らず知らずのうちに上達していたようです。
ストレートレザーって、こんなに肌に優しかったんですね。これは購入当初にはあまり感じられなかったことでした。
優しさレベルで言えば、最初は「両刃カミソリ>>>ストレートレザー」だと思っていたのですが、今は逆で「両刃カミソリ<<<ストレートレザー」に感じられるほどです。

ストレートレザーは、刃の角度、肌にかける圧、ストロークの方向などを全部自分で決められます。
つまり上手く扱えるようになると、両刃カミソリよりもさらに肌へのダメージを抑えるように優しく剃ることも可能になるんですな。

この感覚を文章で説明するのはなかなか難しいですが、「肌に触れるかどうか」くらいのほんのミクロレベルの力のコントロールで、髭だけをスッと剃っていく感じ。
以前はそんなふうにできませんでしたが、両刃カミソリで刃の扱いが上手くなった結果、感覚でできるようになりました。
我ながら、人間の手の器用さには驚かされます。これはきっと機械には真似できないだろうなと感じます。
転移魔法、発動

僕は両刃カミソリのROCCAを使いながら、知らず知らずのうちに「刃物で髭を剃る技術」がレベルアップしていたのだと思います。
だから、久しぶりにストレートレザーを手にしたときにも応用できた。面白いですよね。
僕としては両刃カミソリの経験値を貯めていたつもりだったのに、知らないところでストレートレザーにも経験値が入っていたわけです。

世の中には「学習の転移」と呼ばれる現象があるみたいです。
何かを学習した結果、それまでに身につけた知識や技能が、別の場面での学習やパフォーマンスにも影響するというもの。
今回起きたのもこれで、両刃カミソリを扱うスキルが、ストレートレザーにも活きるようになったのだと思います。

なんだかまるで、一定のレベルを超えると発動する魔法みたいですね。
僕はこの現象を「転移魔法」と呼びたいです。
上達の先に

何かが上達することの効用は、「それ自体が上手くなる」だけではないのですね。
例えば今書いているこのブログ。僕はブログを長いこと書いていますが、その過程で上手くなったのは文章を書くことだけではありません。
写真を撮る、情報を調べる、考えを整理する、どうすれば人に伝わるか工夫するなど、気づけばブログで磨いたスキルが、仕事や日常の色んなところで役に立っています。
考えてみれば、これも立派な「転移魔法」と言えるでしょう。

今回、ストレートレザーのおかげで、1つのことを上達した先には、その1つだけでは終わらない何かがあるということを学びました。
何かを続けているとき、目に見えている成長は案外その一部分に過ぎないのかもしれません。
そう考えると、新しいスキルを身につけ、磨いていくことって、めちゃくちゃ面白いことなんだなと改めて思います。




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