毎月、読んで良かった本をピックアップして紹介していくこの企画。
今回は2021年7月に読んだ本の中から、特に良かった3冊をご紹介します。
色々面白いのがあって迷いましたが、今回はあえて趣味・実用書に特化してセレクトしてみました。
デジタルでフィルムを再現したい
Lightroomでフィルムの質感を再現する方法を解説した本です。
ほとんどが事例で構成されてるんで、1つ1つの機能について丁寧に解説されているわけではなく、事例からヒントを学びとる感じの内容。
僕は「フィルムの質感を再現したい」といったニーズは特になかったんですが、編集のプロセスには興味があったので読んでみました。
「なるほど、こう考えてこのパラメータをいじるんだなぁ」と、写真が出来上がるまでの思考のプロセスを知ることができたのが良かったです。
この本で学んだことをヒントに、実際にLightroomで調整してみた写真がこちら。
フィルムを再現しようとしたわけではなく、あくまで本書から学んだことを取り入れて、これまでやっていた手順とは異なる方法でいじってみました。
実践してみると、「こうしたいときは、ここをこういじれば良いのかー!」と新たな学びがあって良かったです。
いつか物撮りに特化したミニマログプリセットでも作って配布しようかなぁ。
あと、個人的には本書の中で以下の一節が刺さりました。
ひと昔前はプロしか撮れなかったような背景ボケが美しい写真でさえ、適切な機材(単焦点レンズをマウントした一眼レンズなど)を渡せば、幼稚園児でも撮れてしまいます。
引用元:デジタルでフィルムを再現したい P.17
そんな時代だからこそ、「写真家の視点」すなわち
・コンセプトやテーマを持ち、それを写真に落とし込む力
・誰もが通り過ぎてしまうような事象に気付く感受性
・他人と異なる角度や切り口で世の中を捉える視点
といったことが以前にも増して大事だと思っています。
「ただ綺麗な写真」を撮りたいだけであれば特に考えなくていいと思うんですが、写真を作品に昇華させたいなら、上記のようなことを意識していく必要がありそうですねー。
僕も最近は、写真を撮ってるというより作品を作ってるという感覚になってきましたから、上記はいっそう意識していきたいなぁと思いました。
Fat Lava:West German Ceramics of the 1960s & 70s Japanese Edition
Fat Lava(ファットラヴァ)と呼ばれるドイツのヴィンテージ花瓶の解説本。
世界中のFat Lavaコレクターたちのバイブル本らしいんですが、これはそれの翻訳本です。
今のところ、日本で唯一のFat Lava専門書ではないでしょうか。
Fat Lavaについては、先日偏愛アイテムを語るシリーズで取り上げました。
僕はHitohanaさんのお花の定期便で届いた花を生けるのに使用しています。
本書では歴史や各メーカーの特徴などが詳しく解説されていて面白かったです。
「価値あるFat Lavaの見分け方」的な解説ページもあって勉強になりましたねー。
現状、お花を切って短くなった時に飾る用の小さな花瓶が不足しているんで、小さめのサイズで良いのが出たらまた買おうかなぁと思っています。
なお、日本語版の本書はAmazonでは売ってないんで、販売元のkiisさんのサイトへのリンクを貼っておきます。
水揚げ&花のケア 増補改訂版:切り花の鮮度保持マニュアル
Hitohanaさんでお花の定期便を取り始めたんで、水揚げ&花のケアについて勉強しようと思って読んだ本。
どちらかというと販売者向けに書かれたものだったみたいですが、分かりやすく解説されていて非常に気に入りました。
ググるだけでは出てこないような深い情報がまとめられていて、お花を長持ちさせるちゃんとした方法を知りたければこの1冊を読んでおけばOKかと。
お花を長持ちさせる方法はWebでも色々と調べてみたんですが、「それって本当に実験して確かめたの?」と思えるような情報も散在していて、よくわからんなぁって感じだったんですよね。
Web上には古くからの言い伝えみたいな感じで、根拠に乏しい情報も散見された…。
本書の著者は、植物の体のメカニズムから解説していたり、実験した結果を元に「こうすると良さそう」という結論を導き出しているんで、信頼できるなと思いました。
加えて、お花が消費者に届くまでの行程なんかも解説されていて、今まで知らなかった世界を知れて面白かったですねー。
「お花の鮮度維持についてちゃんとした知識を身につけたい!」って方には非常におすすめできる本です。
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