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偏愛アイテムを語るvol.18「Fat lava(ファットラヴァ)|ドイツのヴィンテージ花瓶」

fatlava(ファットラヴァ)ライフスタイル

お気に入りの偏愛アイテムを語るこのシリーズ。

第18回目は「Fat lava(ファットラヴァ)」について。

Fat lavaは直訳すると「肥えた溶岩」でして、1950年代半ば〜1970年代半ばのドイツで盛り上がりを見せた、溶岩みたいなテクスチャーの陶器のことを指します。

本来は陶器の中の1ジャンルを示す言葉ですが、主にドイツのヴィンテージ花器(花瓶)全体を指してFat lavaと言われることが多いようなんで、この記事でもFat lava=ドイツのヴィンテージ花瓶ということにして話を進めたいと思います。

Fat lava(ファットラヴァ)について

fatlavaの本

冒頭で述べた通り、Fat lava(ファットラヴァ)とは溶岩みたいなテクスチャーを持ったドイツの陶器。

溶岩みたいにボコボコとした質感だったり、粗くザラザラとした表面だったりするのが特徴です。

Ruscha(ルシャ)313

ドイツの陶器は、第二次世界大戦後あたりから盛り上がりを見せたようです。

その頃、西ドイツでは大量生産の技術が発達し、陶器デザイナーが色んなデザインを作り始めたらしい。

中でもターニングポイントとなるのが、1959年にOtto Gerharzz(オットー・ゲルハルツ)氏が開発したVulkano釉薬(火山のような風合いの釉薬)
※釉薬(ゆうやく):陶磁器の表面に塗る薬品。 焼成によってガラス質の膜ができて器がコーティングされる。これで様々な色や模様、質感を表現できる。

↓こういう真っ赤なやつです。

これをきっかけに「釉薬ってめっちゃ面白くない?」的なノリになり、釉薬そのものに対する関心も高まっていったらしいです。

垂れた釉薬の表情

そうして1965年頃に初めて使われたのが、溶岩みたいな質感になる釉薬(Fat lava釉薬)でして、これが今日Fat lavaと呼ばれるものとなりました。

↓これとかが分かりやすいFat lava釉薬のイメージ。溶岩みたいにボコボコしてる。

1970年代から徐々に生産が減って下火になっていったようですが、1990年代半ばよりヴィンテージ品として再び注目を集め始め、現在日本でも人気が高まってきているみたい。

日本ではkiisさんが運営するサイト「Fat Lava and German Art Pottery」などで購入可能です。

ちなみにkiisさんは、現時点で唯一の日本語版Fat lava専門書を出版しためちゃめちゃ凄い人。

My Fat lava

僕は現在3つのFat lavaを持っています。

実際に花瓶として使用していて、Hitohanaさんのお花の定期便で届いた花を生けています。

Hitohanaさんの定期便はボリューミーなんで複数の花瓶が必要になり、買い足していった感じ。

なおいずれもヴィンテージ品なんで本来は観賞用としての使用が推奨されているんですが、僕はガンガン花を生けるのに使用しております。

Ruscha(ルシャ)313

Ruscha(ルシャ)313

Fat lavaで最も有名っぽいのがこのRuscha(ルシャ)313というフォルムの花瓶。

独創的な形で、シルエットだけで「あぁ、これはRuschaだ」とわかります。

Ruscha(ルシャ)313の口元アップ
濃い青と鮮やかな青が合わさったような風合いで、ややザラつきのあるテクスチャ。

多様な釉薬のバリエーションがあるのですが、僕が持っているのは深い青色のもの(多分Marinという人気シリーズ)。

コロンとした可愛らしさがあり、そのまま飾っても、花を生けても美しいです。

Ruscha(ルシャ)313と花
ひときわ目を引くフォルムで、圧倒的な唯一無二さを感じさせる佇まい。カッコいい!

Ruscha313はかなり人気が高まってきているようですから、これから価格も上がっていき手に入れづらくなっていくのでは…と予想しております。

Jopeko(ヨペコ)023/15

Jopeko(ヨペコ)023/15

レトロな雰囲気の真っ赤な花瓶。角ばったハンドルも特徴的です。

Jopeko(ヨペコ)023/15の金箔ラベル
当時の金箔ラベル付き。

黒い光沢のある釉薬の上に、真っ赤な釉薬を重ねており、まさにマグマを連想させます。

Jopeko(ヨペコ)023/15の下部
下部を見ると僅かに黒い下地が見えており、絶妙な表情を作り出している。

赤色ってとても目を引きますから、お部屋のアクセント(フォーカルポイント)になって良さそうだなと思って購入しました。

デスク上にポンと置いてあるだけで、美術品のようなオーラを醸し出します。

ただ1つ残念なのは、水を入れると僅かに底から水が染み出してしまうことですね。

ヴィンテージ品は一定確率でこのようなものがあるようですが、こればかりは仕方がありません。

なのでドライフラワー専用の花瓶として使っています。

Jopeko(ヨペコ)023/15とドライフラワー
Hitohanaさんで届いた花をドライフラワーにして飾ってみました。

水が染み出るといってもちょっだけなんで、防水加工でも施したら何とかなるかなぁ。いつか実験してみようと思います。

Übelacker-Keramik(読み方不明)1444/18

Übelacker-Keramik 1444/18

ユニークなChimney型(煙突型)の花瓶。

茶色ベースの上に白い釉薬が滴り落ちるように掛けられており、これが独特の表情を作り出しています。

Übelacker-Keramik 1444/18の口元アップ
釉薬の表情が1つ1つ異なるから、全く同じものは存在しない。

白い部分はザラザラとした質感で、これぞまさにFat lava(肥えた溶岩)って感じです。

茶色ベースなんで、どんな色味のお花や草でも合わせやすく、適当に生けるだけでサマになるから重宝しております。

Übelacker-Keramik 1444/18と花
鮮やかな植物とのコントラストが美しい。

こういった煙突型の花瓶って現代のものではあまり見かけることが無かったんで、僕の目には新鮮に映りました。

このメーカーだけ読み方を調べても全く情報が出て来ないんですが、普通にウーベラッカーケラミックで良いのかなぁ?

僕なりの選び方

3つのfatlava

Fat lavaは本当に種類が多くて目移りしてしまいそうになりますが、一定の基準を定めると格段に選びやすくなります。

僕の場合は、高さ・シルエット・質感に着目して選ぶようにしております。

まず高さについてですが、目安にしているのは15cm前後

これはHitohanaさんの定期便(1,650円コース)で届く花の長さが25cmちょいくらいなんで、飾るのにちょうど良いのが高さ15cm前後の花瓶だからです。

Fat lavaは意外とデカい花瓶が多いんで、この基準を設けるだけで一気に選択肢が狭まります。

次にシルエットですが、Fat lavaっぽい特徴的な形のものを選ぶようにしています。

これはシルエットを見ただけでFat lavaだと分かるようにする為です。

Ruscha(ルシャ)313と青い花

僕は上記のような影やシルエットを強調した暗めの写真を撮ったりするのですが、このとき平凡な形だとFat lavaっぽくありません。

なのでこういう暗めの写真でも、一見して「もしやFat lava?」と思わせるような、特徴的な形の花瓶をチョイスするようにしております。

Ruscha(ルシャ)313の表面拡大

最後に質感ですが、「Fat lava最大の見所は表面の釉薬だ!」みたいなところがあるんで、面白い質感のものを選ぶようにしています。

均一な質感のものよりも、見る角度によって表情が変わるようなものをチョイスしている感じ。

例えば以下みたいなのはめちゃくちゃカッコいいとは思うのですが、均一な質感でFat lavaっぽいテクスチャではないと思うので、僕はあえて選ばないようにしております。

ヴィンテージ品は基本的に全く同じものは無く一期一会なんで、悩んでいる間に売り切れちゃうなんてこともしばしば。

なのでこうして条件を決めておき、希望に合うものを見つけたらパッと買っちゃうというのが良いと思います。

注目のメーカー3選

Fat lavaはメーカーも沢山あるんですが、個人的におすすめの注目メーカーを紹介したいと思います。

それぞれ、kiisさんのサイトのカテゴリ一覧へのリンクを貼っておきます。

Ruscha(ルシャ)

上でも紹介しましたが、Fat lavaの顔みたいな存在のRuscha313がありますから、何はともあれまずはこのメーカーからチェックしてみるのがよろしいかと思います。

313以外にも面白い形や質感の花瓶が沢山ありますから、ざっと眺めるだけでFat lavaの世界観を掴むことができるのではないかと。

Scheurich(シューリッヒ)

ドイツの陶器製造で最大手と言われるのがこのScheurich(シューリッヒ)。

Ruscha(ルシャ)とあわせて陶器製造を牽引した二大巨頭と言っても良いのではないでしょうか。

大手というだけあって市場にもかなりの数が出回っており、Fat lavaを調べていれば必ず出てくるくらいメジャーな存在かと思います。

物によりますが、比較的たくさん出回っているので、入手もしやすいようです。

Otto Keramik(オットー ケラミック)

Vulkano釉薬を開発したOtto Gerharzz(オットー・ゲルハルツ)氏が創業したメーカー。

ドイツ陶器業界に新しい風を吹き込んだのがVulkano釉薬ですが、それを発明したゲルハルツ氏が創業したってことで個人的には注目しております。

1978年まで工場で使用されていた全ての釉薬はゲルハルツ氏が考案したものらしく、まさに釉薬マニアみたいな人だったんでしょうね。

Ruscha(ルシャ)やScheurich(シューリッヒ)と比べて出回っている数は少なそうですが、他とは違った質感を感じられるんで、チェックしてみるといいと思います。

ただそこにあるだけで美しい花瓶

3つのfatlavaとHitohanaの花

Fat lavaは存在感が強く、その辺にポンと置いておくだけで様になるカッコよさがあります。

日常の風景にさらっとヴィンテージ花瓶が飾ってあるって、なんか良いですよね。

「そこまで主張が強いと花と合わせづらいのでは?」と思われるかもしれませんが、色々と生けてみた結果、個人的には意外と何でもマッチするように思います。

fatlavaと花
お花と花瓶の個性が掛け合わさり、他にない美しいオブジェとなる。

上で注目のメーカーを取り上げましたが、凄腕デザイナーみたいな人たちは色んなメーカーを渡り歩いていることが多いみたいなんで、メーカーではなくデザイナーに着目して探してみるのも面白いかもしれません。

僕は花を生ける為に口が狭めの花瓶をチョイスしていますが、逆に口が広めのものを選んでPlant Vase(鉢カバー)にしちゃうって手もあります。

いやー、楽しみ方の幅が広いっすね。

これ、今流行りのアガベとか合わせたらめちゃくちゃカッコいいのでは?

僕はしばらく花瓶として使っていこうと思いますが、いつかPlant Vase化にもチャレンジしてみたいと思っています。

↓コメント頂けると嬉しいです!

  1. ひろ より:

    最高のサイトを見つけてしまいました。今後も更新楽しみにしてます!

    • ミニマログ|偏愛ミニマリスト より:

      うわー!めちゃくちゃ嬉しいコメントありがとうございます!!
      引き続きよろしくお願いします!

  2. まりも より:

    お久しぶりです。毎回楽しみに拝見しています!
    単に都会=様々な刺激があるところにお住まいだからといってこんな面白い記事が誰にでも書ける訳はありませんから、これは偏愛さまのアンテナやフィルターが鋭敏だということだと思っています。しばしば参考にさせていただいていますが、いつか偏愛さまをギャフン(死語 笑)と言わせられるくらいの拘りを披瀝したいものです。SNSは何もしてないですけど…(笑)
    それはともかくこのブログが続きますように!ではでは。

    • ミニマログ|偏愛ミニマリスト より:

      お久しぶりです!
      それは嬉しすぎるお言葉っ…!!ありがとうございます!!
      「こんなマニアックな内容で大丈夫かなぁ」とたまに心配になっていますが(笑)
      引き続きブログはマイペースに継続していきます!
      ぜひぜひ!まりもさんも偏愛・こだわりがありましたら教えて下さいね!

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