10年後も手放さない、お気に入りアイテムを語るこのシリーズ。
第3回目は「腕時計ヴィヴィアンナ」について。
この時計については過去にも記事を書いたことがあって、過去記事ではスペック等の細かいところを書きました。
この記事では、新しい写真で時計を紹介すると共に、過去記事では触れることができなかった時計選びのロジックについても少し書き記したいと思います。
僕は「時間を知ること」ではなく「フォーカルポイントを作ること」を目的に、この時計を選びました。
ファッションにおけるフォーカルポイントを作る
フォーカルポイントとは、「目を引くポイント」のこと。
「注目点」とも呼ばれたりしてまして、インテリアコーディネートなんかではよく出てくる用語であります。
フォーカルポイントには視線が集まるんで、インテリアコーディネートなんかに活かすと、空間にメリハリがついたり全体の印象を決定づけるポイントになったりすると言われてるんですよ。
僕はこれをファッションに取り入れたいと思いました。
というのも、僕は割とシンプルな服装を好みますが、シンプルな服装はともすると地味に見えてしまう可能性があります。
シンプルなのは良いんだけど、地味だねと言われるのはちょっと嫌(笑)
そこで、シンプルファッションの中に上手くフォーカルポイントを作ることができれば、地味に見えない(むしろお洒落感漂う)コーディネートに見せることができるのではないかと考えました。
自分のどこをフォーカルポイントにするか?問題
フォーカルポイントを作る上でまず問題となるのが、「自分のどこをフォーカルポイントにするか」ということ。
これに対する僕の答えは、「自分の中で比較的自信のあるパーツをフォーカルポイントにする」です。
フォーカルポイントはその名の通り視線を集めるポイントとして作用しますから、自信のある部分に視線を集めるのはそこそこ理にかなっているはず。
そうしたときに、自分の中で視線を集めても大丈夫なポイントはどこだろうと考えてみると、僕の場合は「手」でした。
理由は過去に「手が綺麗ですね」と褒められたことがあるから。褒められたと言っても、2〜3回程度ですけどねw(自信なんてその程度でいいんです)
それに、手は顔周り付近にあることも多いので、手をフォーカルポイントにすれば顔とセットで印象的に覚えてもらえる効果も狙えてよろしいのではないかと。
僕は靴も好きなので、足元をフォーカルポイントにするって選択肢もありましたが、視線を下に集めすぎると無駄に短足に見えるのではないかと心配になったので足は却下しました(笑)
(余談ですが、上記の通り足下に視線を集めすぎないように、靴は黒orダークブラウンで統一しております)
「手」をフォーカルポイントにすると決まれば、次に問題となるのが「なにでフォーカルポイントを作るか」という点。
手をフォーカルポイントにするのであれば、時計や指輪などの装飾品を身につけることが考えられます。手段としては他にネイルなども考えられましょう(僕はしませんが)。
それらの中で、僕が自然につけられるのが腕時計かなと。
というわけで、僕は手をフォーカルポイントにする為に時計を着けることにしました。
フォーカルポイントとして腕時計に求める条件
フォーカルポイントとして上手く機能しそうな腕時計はどんなものか考えてみると、個人的には以下の3つの条件が必要でした。
- 目を引くデザイン
- 被らない
- 値段がわからない
フォーカルポイントとして機能させたい以上、何と言っても目を引くようなデザインでないといけません。
また、「あれは何だろう?」と目を引くのが良いので、被らない(=珍しい)ものが望ましい。
そして3つ目の、値段がわからないというのも結構大事なポイントでした。
なぜなら、見た目に「値段」という情報が加わってしまうと、相手に余計な印象を与えかねないからです。
「値段」に対して抱く印象は人それぞれですから、良くも悪くもプラス印象にもマイナス印象にもなり得るんですよね。
フォーカルポイントを作る目的は、あくまでも「シンプルなファッションでも地味に見せないこと」。
ですから、「あれは何だろう?」とか「なんかお洒落だなぁ」とだけ思ってもらえれば良く、それ以外の印象を与えうる「値段」という余計な情報は伝わらないことが理想です。
これらの条件を全て満たしたのが、先ほどから写真で紹介しているジョージ・ジェンセンのヴィヴィアンナという腕時計でした。
ヴィヴィアンナの面白い点
ヴィヴィアンナの面白い点は、その唯一無二のデザインと、デザインに秘められたメッセージ性にあります。
唯一無二のデザイン
バングルと一体化したようなデザイン。なかなか珍しい形かと思います。
全体が鏡面になっており、フェイスにあるのは時針と分針のみ。非常にミニマルです。
この時計はメンズ時計というより、ユニセックスで着けられるウィメンズ時計といった部類のようです(僕が着けているのは最も大きいLサイズ)。
また、通常の腕時計のようにベルトによる長さの調整はできないので、手首のサイズがぴったり合わなければ着けられません。
そういったことから、この時計を着けているメンズは非常に少ない(=被らない)んではないかと思われます。
秘められたメッセージ性
この腕時計は「時間に縛られない」ってのをコンセプトに作られています。
デザイナー曰く、
人は常に時に縛られています。私は、人々を時間から解放したかったのです。
https://www.georgjensen.com/ja-jp/watches/bangle-watches/vivianna-bangle-watch—mirror-dial/3575625_0.html
私は、人生は今ここにある、ということを思い出させる時計を作りたかったのです。
ですから、フェイスに鏡にし、文字盤も秒針もつけなかったのです。
ーヴィヴィアンナ トールン ビューロ ヒューベ
とのこと。
時間を確認しようとすると、鏡面の文字盤に自分の顔が写るのも、「今」を思い出させる為の仕掛けなんだそうな。
この時計のバングルの開口部は、時は私たちを縛るべきものではないことを象徴しており、鏡のようなダイアルは、私たちに人生とは今を生きる事であることを思い出させてくれます。ーヴィヴィアンナ トールン ビューロ ヒューベ
https://www.georgjensen.com/ja-jp/watches/bangle-watches/vivianna-bangle-watch—mirror-dial/3575625_0.html
時間というコンセプトそのものを作り直そうとするかのような試み。この辺りは現代アートに近いものを感じます。
腕時計なのに時間を気にしないというメッセージが隠されているってのは非常に面白く、大変気に入っているポイントです。
視線が集まるフォーカルポイントにそういったメッセージが隠されているというのも、なんともオツではありませんか。
目的は達成できたか?
さて、冒頭でも述べた通り「フォーカルポイントを作る」を目的にこの時計を購入したわけですが、目的は思惑通り達成できたのでしょうか?
答えはYES、大成功です。
上の写真を見ても分かる通り、やはりこの時計は非常に目立つようで。
特に初対面の人と話したりする際は、高確率でこの時計が話題に上がります。この時計をきっかけに会話が始まることもしばしば。
腕にこの時計があるだけでお洒落ですねなんて言われるので、ファッション的にも非常に重宝しております。
こだわりは香水のように
そうやって会う人会う人に時計について尋ねられる度に、僕は心の中でニヤリとほくそ笑んでいるわけですが(笑)
そのとき1つ気をつけているのは、多くを語りすぎないということです。
聞かれたら「デンマークの時計だよ〜」程度に答えて、サラッと流してしまうようにしております。
だって、これまで述べてきたようなことをつらつらと語り始めたら、おそらく「キモい」と一蹴されて終わりだから(笑)
語りたいのはやまやまですが、それはブログだけにしておいた方が良さそうです。
こだわりは香水と同じ。ほのかに香らすくらいが丁度いいのであります。
と言うわけで、2記事書いてしまうほどの偏愛アイテムである腕時計ヴィヴィアンナ。
過去の記事には公式オンラインのページや、僕がこの腕時計に出会ったときのエピソードなんかも紹介しておりますので、ご興味ある方はこちらもぜひご覧頂ければ幸いです。
コメント