暮らしをアップデートする再考シリーズ、第6回目となる今回は「習慣の再考」です。
今回取り上げたいのは、無意識の習慣について。
テーマは「どうすれば変えるべき無意識の習慣に気づけるのか?」です。
再帰的ストーリー
最近読んだ本の中に、こんな一節がありました。
人生のストーリーは「再帰的」な性格をもっていることを忘れてはならない。つまり、いまあなたがどのような行動を取るかによって、あなたが将来どのような足場の上に立ち、どのような選択肢を得られるかが決まるのだ。このような考え方は、ものごとの帰結を変えることはできないという決定論的発想とは対極を成すものだ。人生のどの段階にある人でも、みずからの行動を通じて自分の未来に好ましい影響を及ぼすことはできる。
引用元:アンドリュー スコット,リンダ グラットン. LIFE SHIFT2100年時代の行動戦略 (Japanese Edition) (p.140). Kindle 版
「今の行動で将来が決まる」という話ですが、僕はこの考え方に同意します。
個人的な経験としても、「あの時のあの行動が今につながっているなぁ」と思える例はいくらでも挙げられるので、人生が再帰的な性格というのはきっと合っているだろうなと思います。
これはつまり「日々の行動(習慣)で将来を変えられる」ということですので、希望に満ち溢れた話に捉えられるかもしれません。
しかし、僕は逆に恐ろしさのようなものを感じてしまいます。
もし今の行動(習慣)が、途方もなく間違っていたとしたら?
そして、そのことに気づいてすらいないとしたら?
行動変更ゲーム
例えば僕は今、朝起きて朝にこの記事を書いています。
ブログは基本的に朝書いていて、この習慣を身につけたことで、記事を継続的に公開し続けることができるようになりました。
個人的には良い習慣を身につけられたなと思っていますが、一方で「間違っていないか?」とも思うわけです。
長期的な未来を見据えたとき、本当の意味でいま朝にやるべきなのは、執筆ではなく例えば運動なのでは?
こんなふうに疑問に思えるだけまだマシではあるのですが、より厄介なのは疑問にすら思わない無意識な習慣です。
無意識な習慣って基本的に意識すらしていないわけだから、それが実はヤバい行動であっても気づかないんですよね。
結局、そういう気づかない習慣が望まない未来を招いてしまうことが多いんじゃないでしょうか。
例えば生活習慣病なんかはその典型例でしょう。
では、そういう気づいてすらいない無意識な習慣に、どうすれば気づくことができるのでしょう?
僕が見つけた良い方法があります。
それは「いつもと違う行動を取り入れるゲームをする」という方法です。
なんとなくいつも繰り返している行動に着目して、ちょっと違うやり方に変えてみるという遊びですね。
とりあえず何でも良いので、いつも繰り返している行動に焦点を当てるのがポイントです。
僕はこれを「行動変更ゲーム」と名付けておりまして、定期的にやるようにしております。
これの効用については、実際に例を見ていただいた方がわかりやすいでしょう。
気づきのメカニズム
例えば僕が最近取り組んでいる行動変更には、
- 買ったことない野菜を買う
- 朝に調べ物の時間を設ける
- メタ認知的読書をする
などがあります。
これらは「なんか最近買う野菜がワンパターンだなぁ」とか、「毎朝同じ行動しかしてないなぁ」といったことに着目して、新しい行動パターンとして取り入れたものです。
いずれも新たな学びがありましたが、特にインパクトが大きかったのは「メタ認知的読書」でした。
本を読む習慣は元々あったのですが、本の読み方がワンパターンになっているということに着目して、いつもと違う読み方をしてみようと取り入れたものです。
これがやってみると、読書体験が全く変わってかなり衝撃だったんですよね。
自分なりにやり方は一部カスタマイズしているんですが、メタ認知的読書をすると、より早く・より理解しやす・より記憶に残りやすい読書体験ができるようになったんですよ。
こんな素晴らしい読み方があったのに、なぜ今まで何年も気づかなかったのか。
もっと早く気づいていれば、もしかしたら全然違う人生を歩んでいたかもしれません。それくらいのインパクトはあります。
こんなふうに、新しい行動をしてみることで「これ、もっと早くやれば良かった!」と気づくことがしょっちゅうあるんですよね。
その度に、自分は今までいかに間違っていたのかということに気づかされます。
そうです、間違いに気づいてから変えるのではなく、変えてから間違いに気づいているのです。
これが僕の辿り着いた1つの真理であります。
要は気づくのが先なのではなく、変えるのが先なんですよね。
やってみるとわかりますが、一見意味が無いように思える小さな変更でも、何かしら学びがあるものです。
変えれば変えるほど今までの間違いに気づくので、僕は毎月・毎週といった頻度でこのゲームに取り組むようにしております。
抵抗への抵抗
行動を変えるという行為は、人によっては少なからず抵抗を感じるようです。
昔、会社の人と習慣について雑談をしたことがありました。
そのときに僕が「積極的に習慣を変えているんですよね〜」という話をしたところ、相手の方は「なぜそんなことをするのか全く理解できない」といった様子で、だいぶ困惑されいたのを覚えています(笑)
その反応の背景にはどうやら「習慣はそんなに変えるものじゃない」みたいな無意識の抵抗感が存在しているように思われます。
変化に抵抗を感じる、というのはわからない話ではありません。
しかし、冒頭の「再起的ストーリー」の話を思い返せば、その抵抗感にこそ抵抗した方が良いように思います。
だって、変えてみないことには、変えた方が良いことにも気づけないわけですから。
…とか偉そうなことを言いつつ、実は僕も気を抜くといつの間にか同じ行動パターンを繰り返して、何も考えなくなっていることがあるんですけどね(笑)
そうならないように、もっと積極的に行動変更ゲームに取り組んでいきましょうかね。
さて、明日は何の行動を変えようかなぁ。
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