お気に入りの偏愛アイテムを語るこのシリーズ。
第23回目は「FOX UMBRELLAS/フォックスアンブレラ」について。
ここで取り上げるのは普通のフォックスアンブレラではなくて、カスタムオーダーしたスペシャル仕様のものです。
フォックスアンブレラのオーダーについてはググってもあんまり情報が出てこないんで、これから購入を考えている方などの参考になれば幸いです。
ビスポーク(カスタムオーダー)で究極の1本を作ってみる
フォックスアンブレラは英国の歴史ある傘ブランドでして、僕もいつかは欲しいなと思っておりました。
これは昨年の10月末くらいのこと。
使用している傘がくたびれてきたので、新しい傘を買おうと色々と物色していたところ、ちょうどVULCANIZE Londonさんでフォックスアンブレラのオーダー会が開催されているのを発見しました。
年に2回くらい定期的に開催されているっぽいです。
これはちょうどいい機会だと思いまして、今回オーダーで作ってみることに。
オーダーではハンドルやら生地やらバンドやらめちゃくちゃ細かいところまで指定することができまして、英国の職人がハンドメイドで作ってくれます。
流れとしては、お店の方とじっくり話し合いながら、細部の仕様を1つずつ決めていく感じ。
僕がオーダーした内容はこちらです。
項目 | 仕様 |
---|---|
Type/タイプ | Solid/ソリッド |
Line/ライン | RS5 |
Handle/柄 | Scorched Maple |
Cover/傘地 | Double cano(TOP:Dark Grey #070,Inside:Mid Gray #050) |
Collar/帯 | None |
Tip/露先 | Black |
Tip Cup/玉留 | None |
Band/バンド | Made band:Dark Grey #070 |
Tassel/飾房 | None |
Case/傘袋 | Dark Grey #070 |
Tab of case | Dark Grey #070 |
Tab of band | Dark Grey #070 |
Inside cap | Mid Gray #050 |
項目が多すぎて、傘1本にこんなにカスタマイズしどころがあったのかと驚きました(笑)
選択肢が多すぎて、1時間くらい悩んだと思いますねー。
せっかくのカスタムオーダーなので、既製品には無い色や仕様を取り入れて、世界に1つだけの傘を作りました。
完成したマイ・アンブレラ
そんなわけで完成した傘がこちら。
ちなみにオーダーしてから手元に届くまで、4ヶ月ほど掛かりました。
テーマは「一見普通、でもよく見たら普通じゃない傘」です。
まず傘のタイプとしては、Solidの長傘(ハンドルから先端の石付きまで1本の木で出来ているタイプ)をチョイスしております。
有名なアニマルヘッドも迷いましたが、それだとひと目でフォックスアンブレラだということがわかっちゃうんで、あえて選びませんでした(今回のテーマとそぐわない為)。
↓ちなみにアニマルヘッドというのはこういうやつ。持ち手の先が動物のモチーフになっている。
店員さんに聞いてみたところ、折り畳み傘だとアニマルヘッドにする人が多いそうです(折り畳み傘はカスタマイズできる箇所が長傘より少ないんで、こういうところで「フォックスアンブレラっぽさ」を演出するしかないんだと)。
僕も最初は折り畳み傘にしようか迷ったのですが、長傘のSolidタイプだけ明らかに他とは違うオーラを放っておりまして、オーダーするならこれがふさわしいと直感しました。
木の素材も色々選べるんですが、僕は色味と風合いが好みだったScorched Mapleを選択しています。
傘地にはちょっとした遊び心を加えまして、生地を2枚重ねにするDouble canoという仕様にし、表と裏で色を少し変えました。
この仕様にすると、厚みが出て傘を閉じたときに通常より僅かに太くなってしまいますが、僕は特に細さは求めていなかったんで問題ありません。
色はめちゃくちゃ悩みましたねー。
シンプルに黒一色でもめちゃくちゃカッコいいと思うんですが、それだとオーダー感は無くなってしまいます(黒は既製品でも買える)。
かといって、派手な色にし過ぎると悪趣味な感じになる可能性がある…。
そこで、表地を暗めのダークグレー、裏地を少し明るめのミッドグレーにすることで、落ち着いた印象にしつつ遊びを効かせたパターンにすることにしました。
内側を少し明るい色すると、顔色がよく見える効果もあるんじゃないかと(笑)
ちょうど当ブログのテーマカラーが「少しグレーを足したような黒」なんで、そのイメージに最も近いダークグレーを表地に選んだ感じです。
バンド部分だけ色を変えたりもできるのですが、あえてダークグレーで統一。
そこに控えめな感じでMINIMALOGのイニシャル刺繍を入れました。
まぁイニシャルは入れなくても良かったんですが、これは盗難防止の為に入れた感じですね。
イニシャル入れは本来有料ですが、このときは無料でやってもらえました。
他にも露先など細かい部分の色指定ができるのですが、全体的に落ち着いたトーンになるようにパーツを選んでいます。
保管用の傘袋なんかも付いていてこれも好きな色を選べますが、統一感重視でダークグレーにしました。
使用感について
実際に使用してみての感想ですが、まずその頑丈さに驚きました。
傘地を2枚重ね仕様にしたこともあってか、多少強めの風が吹いてもビクともしない感じです。
イメージで言うと、普通の傘がテントだとしたら、この傘は鉄筋コンクリートマンションて感じ。
周りの人がバサバサと風に煽られている中、平然と歩くことができるんですよ(笑)
オーダーするとき、店員さんが「この傘を使うと、普通の傘に戻れなくなる」と仰っていたんですが、その意味がよくわかりました。
なんか今まで使っていた傘がオモチャに感じちゃうレベル。堅牢性の違いでこんなに使用感が変わるんだなぁ。
また、フォックスアンブレラを調べているとたまに「雨漏りする・雨が染みてくる」という情報を目にするのですが、全くそんなことはありませんでした。
恐らくこの情報は、フォックスアンブレラが昔ナイロン素材を使っていた頃の話なのではないでしょうか。
今は疎水性の高いポリエステルに変わっておりまして、普通の傘と同様、雨が染みてきたりすることはありません。
1つデメリットっぽいものを挙げるとするならば、畳み方にコツがいるってことでしょうか。
閉じた状態でも美しいのがフォックスアンブレラの特徴ですが、それを再現するには丁寧に巻き上げなくてはなりません。
この動画が参考になります。
一時的に閉じる際などはさっとやっちゃって良いと思いますが、保管する際はこのように丁寧に畳む必要があります。
まぁ、僕はこういう手間も結構好きですけどね。
雨を喜ぶ
いやー、完成するまでどんな感じになるのかわからなかったですが、大変満足です。
最近は雨が降ると喜んじゃうようになりました。
もちろん、この傘を使えるからであります(笑)
近ごろは防水加工したジェイエムウエストンとこの傘で、雨の日の散歩を楽しんでますね。
この傘は万が一壊れた際も修理できますから、家宝のように末長く大切に使っていきたいです。
あ、そうそう、VULCANIZE Londonさんは今回のオーダーで初めて伺ったんですが、英国のアイテムが豊富に取り揃えてあって面白かったですよ。
イギリス製品が好きな方にはグッとくるのではないかと。
僕の好きなモルトンブラウンのハンドソープやボディソープなんかも取り扱いがありました。
もちろん、フォックスアンブレラの既製品も多数取り揃えがありましたので、実物を見てみたいという方は、一度足を運んでみるとよろしいかと思います。
Twitterで仲良くさせて頂いているちゃん貴さんもブログでフォックスアンブレラについて熱く語っておられますので、ご興味ある方はこちらもご覧になってみてください。
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