151種類の替刃を一気買いしてみた｜二重包装のカミソリ刃を求めて

世界中に多数の種類が存在するカミソリの替刃。

どの替刃を使うかによって髭の剃り心地は大きく変わる為、クラシックシェービング愛好者にとって替刃選びはとても重要です。

替刃の好みは十人十色ですが、僕にはちょっと変わった「こだわりポイント」があります。

しかし、この「こだわりポイント」を判別する為の情報がネット上にはほとんど無くて、自分好みの替刃を探しづらいと感じておりました。

そこで「情報が無いなら自分で作ろう」ということで、僕が実際に世界中の替刃151種類を購入し、替刃選びに役立つ世界初のデータベースを作るプロジェクトをスタートさせました。

ネット上に無い情報を求めて

僕の替刃選びの必須条件は、以下の2点です。

大抵の人は、１の「髭を綺麗に剃れて、肌がヒリつかない」という替刃を求めていると思います。言わば刃の性能にあたる部分で、これが最も重要なところでしょう。

僕の場合はそれに加え、２の「二重包装で、デザインがカッコいい」という条件を必須としています。

理由は、これがクラシックシェービングの一連の体験に結構大きな影響を与える要素だからです。

両刃カミソリの替刃は1枚ずつ包装紙に包まれているんですが、この包装仕様には2種類あります。

1つは、薄いワックスペーパーのようなものに包まれた一重包装のもの（上の画像左）。もう1つは、紙のペーパーとワックスペーパーの2枚で包まれた二重包装のものです（上の画像右）。

一重包装の場合、替刃が包装紙にノリ付けされていることがほとんどなんですが、これがベタベタして個人的にちょっと不快なんですよね。

フェザーの公式サイトの説明によると、このノリ状のものはワセリン（鉱物油の一種）らしく、包装紙と替刃をズレないよう固定するために用いられているものらしい。

ワセリンなので人体に害はありませんが、ベタベタして取り出しづらいし、カミソリホルダーにもノリが付いてベタついてしまいます。

二重包装の替刃の場合、二重で包んでいるためか内紙にはノリ付けされていないことが多く、替刃を取り出すのもホルダーにセットするのもベタつかず快適です。

また、二重包装の場合、外側の包装紙はデザインのバリエーションが多くて視覚的にも楽しいのもメリット。

自分が気に入ったデザインの包装紙だと、替刃をセッティングするところからすでにテンションが上がります。

「包装紙なんて刃の性能に関係ないんだから、本質的じゃないだろう！」と思われるかもしれませんが、そうじゃないんですよね。

クラシックシェービングって、完全に趣味の領域じゃないですか。

だったら、性能だけじゃなく、見た目や開封時の快適さにもとことんこだわった方が良いと思うんですよね。趣味で楽しむ為にやっているのですから、最初から最後まで、テンションが上がるかどうかが重要なんです。

趣味でやっているのに不快感を我慢しなきゃいけないって、ちょっと意味わかんないですからね(笑)

なので僕は、「二重包装でかつ性能が良い替刃」を求めているのです。

問題は、一重包装か二重包装かどうか、ネットで調べただけではわからないということです。

151種類の替刃サンプルを入手

替刃の商品ページには、包装の仕様は書かれていないことがほとんどです。

たまに商品画像の一部に包装紙が写っている場合もあるんですが、大抵は外箱だけとか、外箱＋替刃本体の画像しか無かったりするんですよね。

二重包装の替刃が欲しいのに、二重包装かどうかは買ってみないとわからないんですな。困ったもんです。

というわけで、この問題を力技で解決することにしました。

世界中の替刃サンプルを1枚ずつ集め、全ての包装仕様をチェックし、それをデータベースを作りましょう。

替刃のサンプルは「RAZOR BLADES CLUB」のALL BLADESサンプルパックで入手しました。

これは150種類の替刃が1枚ずつ入ったサンプルパックなんですが、届いたものを確認したところなぜか全部で152枚入っており、1種は同じのがダブりで2枚入っていたんで、合計151種類の替刃が入っておりました(笑)

これでも世界中の替刃全てを網羅しているわけじゃないんですが、ロシア産などの在庫不足の替刃を除いて、有名どころは大体カバーできているかと。

入っていた替刃を全て表にまとめましたので、興味がある方は以下よりご確認ください。

ちなみに替刃には外箱は付いていないんで、ものによってはブランドの判別が難しいやつがあって調べるのに苦労しました。包装紙に商品名が書いてないものもありますからねぇ。

また、同じメーカー・ブランドでも、一重包装と二重包装が混在していてだいぶカオスでした。

生産国やコーティングの情報は全てRAZOR BLADES CLUBの商品情報に記載のものを採用していますが、ちょこちょこ誤字があったんでその辺は僕が修正しました。

二重包装の替刃をガッツリ調べてみた

では調査した結果をご紹介していきましょう。

まず今回調査した151種の替刃のうち、一重包装と二重包装の枚数は以下の通りです。

全体の約40%にあたる62種が二重包装の替刃でした。もっと少ないだろうと思っていたんですが、意外と多くて驚きましたね（たまに二重包装でも内紙にノリがベッタリくっついているものもあるから、実際使ってみるまで油断できないんだけど）。

一重包装の替刃は今んとこ眼中に無いので、ここからはこれら二重包装の替刃（62種）に絞って傾向を見ていきたいと思います。

生産国別集計

二重包装の替刃を生産国別に集計すると、以下の結果になりました。

二重包装の替刃が多いTOP3は、インド・パキスタン・中国でした。残念ながら日本は1つも無し。

ここで気になるのは「生産国ごとに替刃の特徴ってあるのか？」ってところですが、これは一概には言えないでしょう。

替刃の品質は同じ国の製品でも異なる場合があるため、国単位で特徴・傾向をまとめるのは無理があると思います。

まぁ、好きな国がある人はその国で作られている替刃から選んでみるのはアリかもしれませんな。

コーティング別集計

続いて二重包装の替刃を、刃のコーティング別に見てみましょう。

コーティングはステンレス鋼orプラチナが定番といったところでしょうか。

中には「プラチナ＆テフロン」など、2種のコーティングを組み合わせたものも存在しました。

それぞれのコーティング別の特徴や傾向をまとめるとこんな感じ。

コーティング種類	特徴	傾向
クロム＆テフロン	耐腐食性が高く、滑らかな剃り心地	長持ちし、敏感肌に適している
ステンレス鋼	錆びにくく、耐久性が高い	一般的に広く使用され、コストパフォーマンスが良い
テフロン	摩擦が少なく、滑らかな剃り心地	肌に優しく、敏感肌に適している
テフロン＆プラチナ＆クロム	高い耐腐食性と滑らかな剃り心地	高品質で長持ちし、あらゆる肌質に適している
プラチナ	耐腐食性が高く、鋭い切れ味	高価だが、長持ちし、滑らかな剃り心地
プラチナ＆テフロン	高い耐腐食性と滑らかな剃り心地	高品質で長持ちし、敏感肌に適している
炭素鋼	非常に鋭い切れ味	錆びやすいが、シャープな剃り心地

これも好みでしょうが、個人的にはプラチナもしくはテフロンが良さげに思えます。

生産国別×コーティング別集計

二重包装の替刃について、商品名を生産国別×コーティング別にまとめました。

いい具合に全体感を掴めましたね。プラチナやテフロンの列に着目すれば、すぐに僕好みのコーティングの替刃を見つけられます。

二重包装デザインがイケてる替刃はこれだ

二重包装の替刃は62種ありましたが、これでもまだまだ多いので、ここからさらに包装デザインがイケてる替刃だけに絞り込んでいきましょう。

「替刃の開封時にテンションが上がるデザインかどうか」という基準で、先入観抜きにパッと見の判断で選別していったところ、20種の替刃が残りました。

日本では買えないやつも多いですが、日本のAmazonで買えるやつはリンクも一緒に貼っておきます。

デザインが良いと思ったもののみ表にまとめるとこんな感じです。

すでに述べたように、個人的にはプラチナコーティングとテフロンコーティングに期待を寄せているんで、これらに該当するものは赤字にしました（11種あった）。

この中だと、TataraとDorcoは1度使ったことがあります。いずれもなかなか良いなという印象だったんで、やはりプラチナとテフロンには期待できるかも。

これらを20種を比較・吟味すれば、僕にピッタリの至高の替刃が見つかるかもしれません。

余談ですが、選考に落ちたものの中には、よくわからない珍妙デザインの替刃もあって面白かったです。

クスッと笑えるデザインで楽しい感じはしますが、テンションは上がらないかな(笑)

世界初のデータベースを作る試み

151種から20種まで絞り込むことができたんで、あとはこれらを一つずつ試していって、使い心地の良い替刃を見つけ出したいと思います。

できるだけ公正に比較する為には、毎回同じシェービングソープやカミソリホルダーを使った方が良いでしょうね。

刃は2~3回使ったら交換するようにしているんですが、全部3回ずつ使うとしたら3回×20種で60回分あることになります。

もったいないので、一重包装の替刃もたまに気分転換で使っていこうと思ってますが、これも踏まえると検証期間はかなり長期になりそうですな。だいぶ長い道のりだぞこれは…(笑)

すでに紹介した通り151種の替刃の一覧表を作りましたが、この表は未完成の状態です。

最終的にはこの表に、替刃ごとの剃り心地、ヒリつきの有無、外箱の仕様、1箱あたりの枚数や価格などの情報も追加し、完全な替刃データベースを構築しようと思っております。

包装仕様まで含めた一覧表は見たことがないので、これが完成したらおそらく世界初の替刃データベースになるのではないかと。

まぁ、一重包装の替刃を使うのは全然気が進まないので、おそらく151種全てをコンプリートすることは叶わないでしょうが…(笑)

一番大事なのは楽しむことなんで、コツコツと検証と情報整理を続けながら、日々替刃の個性を楽しみつつ、クラシックシェービングライフを満喫していきたいと思います。