数年前から「いつか革ジャンを買おう」と思っていたのですが、ついにこの秋、本格的な革ジャンを購入しました。
購入したのは、James Grose(ジェームスグロース)のDOVER(ドーバー)。
シンプルを追求し、一切の装飾を省いたミニマルデザインが特徴のシングルライダースジャケットです。
最近はこの革ジャンを軸に、日々のコーディネートを大いに楽しんでいます。
James Grose(ジェームスグロース)のレザーウェア
James Grose(ジェームスグロース)は、イギリスの老舗レザーウェアブランドです。
ここのレザーウェアは、厚みのある革を使用し、すべての製品が英国で1点ずつハンドメイドされているのが特徴。
ジェームスグロースを知ったのは、革ジャン好きの友人からの紹介でした。彼のおすすめもあり調べてみると、色々と僕好みのブランドだなと思えました。
イギリスの革ジャンは、アメリカの革ジャンと比較すると以下のような違いがあります。
項目 | イギリス(UK)ライダースジャケット | アメリカ(US)ライダースジャケット |
---|---|---|
シルエット | スリムでタイトなフィット感 | ゆったりとしたボックスシルエット |
着丈 | やや長め | 短め |
袖丈 | 長めで手首を覆う | 短めで手首が見えることが多い |
機能性 | 前傾姿勢に適したデザイン | アクションプリーツで可動域を確保 |
文化背景 | カフェレーサー文化、ロッカーズ | ハーレーダビッドソン、チョッパー文化 |
イギリスのライダースジャケットは、シルエットがスリムなものが多く、着丈や袖丈が長めに作られていることが多いらしい。
ジェームスグロースのデザインには、こうした英国らしいスタイルが反映されていて、その点が僕好みで惹かれました。
007のジェームズ・ボンドに憧れている僕としては、英国スタイルにグッと来てしまうのであります(笑)
商品のラインナップも、装飾を控えたシンプルなデザインのものが多く、上品な印象でした。
試着会にて複数の革ジャンを試す
ジェームスグロースには色んなモデルの革ジャンがラインナップされていますが、それらを自由に試着できるイベントがあります。
それがグリニッチさん主催の「The 試着会」です。
この試着会は定期的に開催されていて、僕もちょうどいいタイミングで24年秋の試着会に参加することができました。
試着会は予約制のため、混雑はなく、商品をじっくりと比較検討できます。
僕はシングルのライダースジャケットが欲しかったので、シングルライダースを中心にいくつか試しました。
ジェームスグロースの革ジャンは、基本的にどのモデルでも牛革・馬革・羊革の3種類から選べる仕様になっています。
革ごとにざっくり以下のような特徴があるんですが、実際に試着することでこれらの質感の違いも確かめることができました。
革の種類 | 特徴 |
---|---|
牛革(カウハイド) | 厚みがあり耐久性が高い |
馬革(ホースハイド) | しなやかで強度があり独特の経年変化を楽しめる |
羊革(シープスキン) | 軽くて柔らかく着心地が良い |
やはり、同じモデルでも革の種類によって着心地が大きく異なりましたね。
革質だけでなく、違うモデル同士を着比べてみることでわかることも多かったです。
オンラインで見て良さそうだなとモデルが実際に試着してみるとイマイチだったり、逆に期待していなかったモデルが意外にもしっくりきたり、やはり実物を試すことの大切さを感じました。
ちなみに、この試着会にはいくつか注意点があります。
試着会といえど、全モデルの全サイズがそろっているわけではなく、欠品しているサイズもありました。
また、試着したものをその場で購入することはできず、注文はオンライン経由で、発送は後日という形式です。
オンラインでの在庫状況に左右されるため、人気モデルやサイズは早い段階で欠品することがあるようです。ものによっては、最初から1点しか在庫がないということもあり得る感じ。
どうしても気になるモデルがある場合は、試着会でも早めの日程・時間帯で予約しておくのがおすすめです。
また、会場のスタッフは少し距離を置いた接客スタイルで、こちらから話しかけないと案内してもらえませんでした。
場所や時間帯で違うのかもしれませんが、気になる点があれば積極的に質問してみるのが良いかもしれません。
DOVER(ドーバー)シンプルを追求したシングルライダースジャケット
試着会でいくつかのモデルを試した結果、最終的に僕が選んだのはDOVER(ドーバー)というモデルの馬革です。
実はもともと候補にしていたのは別のモデル、NEW TROPHY(ニュートロフィー)でした。
サイズ表からするとニュートロフィーの方が自分に合いそうに思えたのですが、いざ着てみると、どうもしっくりきません。少し窮屈に感じるところがあり、見た目も思っていたほど好みではなかったのです。
一方で、ドーバーを試着した瞬間、これだと直感しました。
オンラインサイトで見たときは少しシンプルすぎるようにも思えたのですが、実際に着てみると革そのものに迫力があり、無駄な装飾がない分大人っぽく落ち着いた印象です。
飾りが多すぎるとコスプレ感が出てしまう気がしていたので、むしろこれくらいシンプルな方が長く着られそうな予感がしました。
サイズ感も良く、個人的には特に着丈や袖丈の長さが気に入りました。
ドーバーは、着丈や袖丈がやや長めに作られているモデルです。
実は僕は、学生時代に購入した革ジャンで袖丈が長すぎて後悔した経験があるので、袖丈が長めというのは心配していた点でした。
しかし試着してみると、これが絶妙に丁度いいと感じる長さ。
鏡を見てみると「これぞロンジャン」といった雰囲気が感じられるシルエットでカッコいい。
僕はバイクには乗りませんが、自転車には乗るかもしれないので(笑)、それを考慮してもこれくらいの長さがあった方が良いだろうと判断しました。
革の素材は羊革か馬革かで悩みましたが、店員さんに「筋肉質な体型なので、馬革の方がよく似合いそう」と勧められ、アドバイス通り馬革に決めました。
馬革には特有のしっかりした質感と少しギラついた風合いがあり、場所によっては荒々しい表情が見られる点も気に入りました。
どのように経年変化していくのか、今から楽しみです。
レザージャケットのコーディネート・着こなし
購入したドーバーを中心に、いくつかのコーディネートを試し始めています。
こちらは白いインナーと細身の黒いパンツと合わせたコーデ。シンプルながらも革の存在感が引き立ち、さりげなくまとまる感じです。
前のチャックを閉めるとこういう感じになります。
インナーを黒に変えれば、一気にワイルドな印象が強まるのも面白い。
全身黒でまとめるのは好き嫌いがありそうですが、僕は好きですね。
革ジャンについては、防寒性があまり高くないという話もありますが、ジェームスグロースのドーバーは意外と暖かく、気温が高めの日にはインナーを半袖にしても暑く感じることがあるほどです。
もちろん真冬には少し寒いかもしれませんが、インナーに厚手のものを重ねたり、上にオーバーコートを羽織ったりすれば冬でも着られるのではないかと考えています。
また、以下のように太めのボトムスと合わせることもあります。
試着会で店員さんに「太めのパンツには合わせづらい」と言われましたが、個人的にはそれほど違和感がありません。
太めのパンツと組み合わせることで、少しラフなカジュアル感を出せて良いんじゃないかと。
ネット上でも「ボトムスが太いとバランスが取りづらい」という意見を見かけましたが、誰が言い出したのかもわからないルールに縛られるのではなく、自由に発想し自分の感性で判断する方が、コーディネートの幅が広がって楽しいと思います。
ちなみに、僕は試着会でおすすめされたサイズではなく、1つ小さいサイズを購入しました。
店員さんはゆとりのあるサイズを勧めてくれましたが、試着してみて美しいと感じなかったんですよね。
僕自身の経験から言って、サイズ選びはアドバイスを鵜呑みにせず、自分の直感を信じたほうが失敗が少ないように思います。
今回も自分の感覚を信じて大正解でした。
最初は肩周りが少しきつい感じがしましたが、着ていくうちに革が馴染んできて、ぴったり心地よいフィット感になりました。
グレーのパンツに合わせるとこんな雰囲気になります。
このパンツは部屋着として着ているスウェットなので、近所のコンビニに行くときくらいしかこのコーデはしないんですが、あくまで色合わせの参考例として見ていただければと。
グレーを合わせると、少し上品な感じが出ますね。グレーのスラックスなどを合わせるとより品があって良いかもしれません。
ドーバーはシンプルなデザインなので、色んなコーディネートに合わせやすくていいですね。
今回撮影した写真は、全てインナーにユニクロの超極暖ヒートテックを着ているんですが、革ジャンに合うように作られた「革ジャン専用Tシャツ」というのもあるみたいで、ちょっと気になっております。
美しい経年変化のためのプレメンテ
ドーバーを着始める前に、プレメンテナンスを行いました。
使用したのは、普段から靴のメンテナンスに使用している「Brift H」のTHE CREAMというクリームです。使用したのはナチュラル(無色)。
このクリームはいつもジェイエムウエストンやトリッカーズの靴磨き、レザーエプロンのケアに使っています。
エイジング(経年変化)に関して僕の考えは、革がただくたびれて汚く見えるような変化は好きじゃなく、使い込まれた風合いがありつつも丁寧に手入れされていることが分かるような、上品な表情に育っていくことを理想としています。
THE CREAMには、革をしっかり潤わせながらも適度な艶を出す成分が含まれており、これまでに革靴やレザーエプロンで試したときにも良い結果が出ているので、僕の目指す革のエイジングにぴったりです。
手入れの手順は、革靴のメンテナンスとほぼ同じ。
まずクリームを適量取り、革全体に均一に伸ばしていきます。その後、ブラッシングをして仕上げました。
THE CREAMには細かな粒状の成分が配合されているため、しっかりとブラッシングをしないと白っぽく残る場合がある点には注意が必要です。
クリームを塗布した直後は革がやや柔らかくなったように感じられ、もともとしなやかな着心地がさらに向上した気がします。
頻繁にクリームを塗る必要はないと思いますが、季節の変わり目など定期的なメンテナンスを心がけ、長く美しい状態を保ちたいと考えています。
あ、それから言い忘れましたが、ハンガーはナカタハンガーのジャケットハンガーに変えました。
購入時にプラスチックのハンガーがついてきましたが、クローゼットのハンガーはナカタハンガーで統一しているので交換。
あんまり細すぎるハンガーだとジャケットの重みで肩の部分が抜けてしまう恐れがあるんで、太くてしっかりしたジャケット用ハンガーを使うようにしております。
意外に使える革ジャン
「革ジャン好きは、家の中でも革ジャンを着る」といった話を耳にしたことがありますが、自分は正直そこまではしないだろうと思っていました。
ところが、実際にドーバーを手に入れてみて、その気持ちが理解できました。
革が着るほどに馴染んでいく感覚が心地よく、まるで自分と一体化していくような感覚があって、つい家の中でも着たくなってしまうのです。
実際、この記事もドーバーを羽織りながら書いております(笑) これが革ジャンの魔力なのでしょうか。
もちろん外出の際にも頻繁に着用していて、天気さえ悪くなければ、出かけるときはこの革ジャンを羽織っています。
革ジャンコーデは結構難しいのかなと思いきや、意外と楽チンなアイテムでした。
ドーバーは余計な装飾がないのでハードな印象になりすぎず、ジャケットのように羽織るだけで簡単に整ったスタイルが完成するので、とても使い勝手がいいんですよね。
着れば着るほど味わいが増していくため、レザー特有の「育てる楽しさ」も感じられて飽きません。
ようやく気温も下がり、革ジャンが本格的に活躍できる季節がやってきました。
革ジャンと共に、この秋冬を存分に満喫していきたいと思います。
こちらのレザーアイテム記事もおすすめです。
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