イギリス製のアンティークシューホーン(靴べら)を購入しました。
アンティークシューホーンと言えば僕の偏愛アイテムの一つで、以前このブログでも何度か紹介したことがありました。
ブログヘッダーのデザイン(MINIMALOGの左から2つ目のIの文字)にもこっそり入れているくらいお気に入りのアイテムだったのですが、ちょっと前にまさかの紛失…。
シューホーンが無いと革靴が履けないので、2代目となるシューホーンを迎入れることとなりました。
初代アンティークシューホーン紛失事件

こちらは僕が元々使っていたアンティークシューホーン。5〜6年使っていたことになるのかな。
この靴べらはイギリス製のアンティークシルバーで、1906年に作られたものです。
なんで作られた年数がわかるのかと言うと、イギリスの銀製品には「ホールマーク」という刻印システムがあるから。

この刻印を読み解くことで、場所・年代・メーカーなどが特定できるようになっているんですよね。

こういう凝った装飾が施された携帯できる靴べらって、現代品ではなかなか見つかりません。
1906年といえば、エドワード朝の優雅で華やかな服装の時代。そんな時代に作られたアンティークシューホーンには、現代品にはない古き時代特有の魅力が宿っていました。

とても気に入って使っていたのですが、ある日外出時にポケットに入れていたら、知らぬ間にどこかに落として無くしてしまいました。やらかした…。
おそらくどこかで足を組んで座った際に、ポケットからスルッと落ちてしまったのだと思います。
めちゃくちゃ残念ですが、シューホーンは僕にとってマストアイテムなので、代わりのシューホーンを探すことにしました。
同年代のシューホーン、見つかる

シューホーンに関してはイギリスのアンティークものが一番カッコいいと思っているので、2代目もアンティーク品で探しました。
そうして見つけたのがこちら。

こちら、僕が落として無くしてしまったものと同じ1906年に作られたアンティークシューホーンです。
奇跡的に、無くしてしまったシューホーンと同年代に作られた製品に巡り会いました。


ホールマークの刻印はそれぞれ、「錨マーク」「歩くライオンマーク」「アルファベットg」「W.D」。
これらの意味を読み解くと、
- 検査した場所は、英国バーミンガム(シルバー製品の名産地)
- 純度は92.5%(スターリングシルバー)
- 制作年は1906年
- メーカーはWilliam Davenport
ということがわかります。
William Davenportと言えば、昔購入したアンティークレターオープナーと同じメーカー。
これも不思議なご縁を感じますね。

今回購入したシューホーンは非常に状態がよく、目立ったダメージがない綺麗な個体。これくらい綺麗な状態のものはなかなか無いので、見つけられたのは幸運でした。

ハンドル部分には優美な装飾が施されています。アンティークシューホーンの中でも、あんまり見かけないデザインだったので目を引きました。
手に収まりのいいサイズ感で、使い勝手もいい感じ。ジャケットの内ポケットに収まりがいいのもナイスです。


何より、初代アンティークシューホーンと同じ1906年製というのは、なんだか運命的なものを感じます。
僕が次に使うのはこれしかない、と直感しました。
アンティーク探しの穴場

僕が探していたのは観賞用ではなく、実際に使えるアンティークシューホーンです。
道具として実際に使うとなれば、ある程度綺麗で、ダメージの少ない個体を見つける必要があります。
しかし、作られてから100年以上経ったアンティークものとなると、やはり状態の良い個体は限られてくるんですよね。
僕が初代アンティークシューホーンを購入したオールドアートアンティークさんのショップを覗いてみると、何本かシューホーンの在庫があるのですが、経年による擦れや錆が目立ちます。
古いもの特有の味があってこれはこれでカッコいいですが、せっかくならできるだけ綺麗なものを入手したいところ。

今回僕が買ったシューホーンは、Etsy(エッツィー)で見つけました。
Etsyはハンドメイド品やビンテージ品に特化した世界規模のオンラインマーケットプレイスで、僕が以前買っためちゃくちゃカッコいいレザーエプロンも、Etsyを通じて購入しています。
ここで検索してみると、状態の良いアンティークシューホーンが何本か見つかる上に、日本国内で買うより安く手に入れられる場合もあり、結構穴場でした。
Etsyで買うと海外から個人輸入することになりますが、それに抵抗がなければ、お宝発掘の場としておすすめのマーケットプレイスです。

また、値段は少し高くなってしまいますが、日本国内でもいくつか状態の良いものを見つけたので、リンクを貼っておきましょう。これを書いている現時点では、まだ在庫があります。
アンカーさんで出品されている以下のアンティークシューホーンは、僕が買ったやつと同じメーカーのもので、デザインが似ていますね。
こういうデザインの靴べらは現代の製品では無いし、特に革靴Loverにはグッとくるアイテムだと思うので、ご興味ある方はチェックしてみてください。
宝物を無くして思うこと

初代アンティークシューホーンは、僕にとって宝物のような存在でした。
外出する度に持ち歩き、旅行にも持って行って、色んな場所を共に過ごした思い出のアイテムでもあります。
それを無くしてしまったのはショックですが、きっとこの初代シューホーンは、僕を守ってくれたのでしょう。
何かの災いが降りかかろうとして、僕の身代わりになって消滅したんじゃないでしょうか。うん、きっとそうに違いない。
そう考えると、初代アンティークシューホーンには感謝しないといけないですね。

アンティークシューホーンは僕にとって、単なる道具という枠を超えた、お守り的な存在です。
今回新たに迎入れた2代目もまた、僕を守ってくれることでしょう。
今度は落としやすいパンツのポケットになんかに入れないよう注意しつつ、末長く大切に使っていきたいと思います。





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