以前ブログに書いたことがあるのですが、僕は「年に1回、香水を新調する」という習慣を続けております。
その時に買った香水を1年間ずっと使い続けるというスタイルで、年に1度、新しい香りに替えるのが毎年の密かな楽しみとなっています。
そんな習慣の中で、2022年からハマっているのがフランスのブランドラルチザンパヒュームの香水。
今回はこの香水の魅力について語っていきますが、「香り」に関してはどうしても文章だけでは伝わりづらいでしょう。
そこで新しい表現の仕方として、僕が感じた「香り」をAIで具現化するという手法にチャレンジしてみました。
個性的な香りと、変化の美しさ
ブランド名の「L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)」とは、フランス語で“香りの職人”を表す言葉です。
その名の通り、職人が作った香りの芸術作品みたいな香水がラインナップされています。
香水売り場で見かけた際はぜひ香りを嗅いでみて欲しいのですが、どの香りも今までに嗅いだ事の無いような個性的な香り。
最初は個性的すぎてビックリする香りもあるかもしれませんが、ラルチザンの香水はムエット(試香紙)で嗅ぐのと実際に肌につけて嗅ぐのでは印象がガラッと変わるのが面白いところです。
ファーストインプレッションで「この香りはつけこなせないな…」と思っても、時間が経つにつれて香りが変化していき、気づくと自分の肌と溶け合い一体化しているような感覚になります。
その香りの変化が何とも美しいこと。
まるでレザージャケットが自分の身体の形に馴染んでいくかの如く、香りが自分にフィットしていくようなイメージ。
これを体験すると、ラルチザンの香水から抜け出せなくなります(笑)
次からは、2022年から僕が使ってきたラルチザンの香水を紹介していきたいと思います。
文章だけでは香りの素晴らしさが伝わりづらいだろうなと思ったので、「香りのイメージをAIで画像化する」という新たな試みと共にお届けいたしましょう。
2022年:フー アブサン オードパルファム
僕がラルチザンパヒュームの香水を使い始めたのは2022年から。
2022年の香りとして選んだマイ・ファーストラルチザンは、FOU D’ABSINTHE EDP(フー アブサン オードパルファム)でした。
「アブサン」というリキュールをモチーフにした、妖艶で怪しげな香りの香水です。
トップノートは、フレッシュで冷たく、ダークでどこか薬草みを感じるような香りが鼻腔を突き抜けます。
これが時間が経ってくると、温かみのあるスパイシーウッディな香調が顔を表し、ワイルドな夜みたいな香りに変わっていきます。
この香りの変化が劇的で、初めて使った時は「こんなに印象が変わるのか!」と感動しました。これが”香りの職人”の成せる技なのか…。
この香水、初めてムエットで嗅いだときは「オッサンみたいな匂いがするな…」というのが正直な感想で、付けこなすには難易度が高すぎると感じたんですよね。
一方で、こんなオリジナリティあふれる香りは今までに嗅いだことがないし、なぜか惹かれるものがあったんですよ。
今思えば、この時点で僕は狂気のリキュール「アブサン」の香りの魔力に魅了されていたのかもしれません。
「ちょっぴり危険な雰囲気を漂わせる、圧倒的にカッコいい大人」みたいな人にしか似合わなそうな香りだと思ったのですが、「難易度が高いからこそチャレンジしてみるべきではないか!?」という謎のチャレンジ精神が芽生え、思い切ってこれを使ってみることにしたんですよね。
この判断は大正解で、使えば使うほどこの香りの虜になってしまいました。
意外にも周囲の評判も良く、これがラルチザンの香水にハマるきっかけとなりました。
2023年:ミュール エ ムスク エクストリーム オードパルファム
フー アブサンでラルチザンパヒュームが好きになったので、翌年2023年もラルチザンの香水を選びました。
このとき選んだのはMURE ET MUSC EXT EDP(ミュール エ ムスク エクストリーム オードパルファム)という、ブラックベリーとカシスの甘美な香り。
単にフルーティなだけでなく、その裏にムスキーなカッコ良さが見え隠れする複雑さも持ち合わせています。
トップからベリーとムスクが溶け合ったような高貴な香り。最初はグリーンっぽいフレッシュさも感じられます。
時が経つとより濃密でやや官能的な甘さが出てくる感じ。
香りの変化は劇的ではありませんが、少し温かみがある印象へと変わっていきます。
複雑でありつつも、フー アブサンほど尖った個性ではないので、割と多くの人に好まれそうな香りではないかと。
そこはかとなく清潔感や高級感が感じられるところも気に入っています。
2024年:ティー フォー ツー オードトワレ
そして2024年。今年の香水もラルチザンパヒュームで、 TEA FOR TWO EDT(ティー フォー ツー)という香りを選びました。
ダークでスモーキーな強烈な個性。今、この香りに最もハマっています。
あまりにも個性的なので、初めて香りを嗅いだときは「これを付けこなすのは無理だろうな」と思いました(笑)
しかし例によって肌に付けてみると、その印象がガラッと変わっていきます。
トップは紅茶とスパイスと煙が混ざったような独特の香り。嗅いだことのないインパクトある香りに軽く衝撃を覚えます。
時間が経つと次第に角のあるスモーキーさが取れ、モッタリとしたハチミツやバニラの濃密な香りが現れてきます。
最終的には、甘いチョコレートとバニラを溶かし込んだ濃厚なココアみたいな香りに。
このダイナミックな香りの変化はもはや芸術と言えるでしょう。
一応オードトワレの分類なんですが、香りの持続性は他のパルファムと同じくらい。なんならミュール エ ムスク エクストリームよりも長いように感じます。
ちなみにこの香水、奥様は最初の印象では「この香水はやめてほしい」みたいな微妙な反応を示していたものの、時間が経つと「いい匂いだね〜」と180°評価が変わっておられました。それほど印象が変わっていくということです。
個人的にはラストのうっとりするような甘い香りがドンピシャで好みでして、日中はもちろん、夜寝るときなんかもこの香水を好んでつけたりしております。
番外編:ア フルール ド ペッシュ オードパルファム
これは番外編ですが、僕の奥様も2024年の香水にラルチザンパフュームをチョイスしました。
選んだのはA FLEUR DE PECHE EAU DE PARFUM(ア フルール ド ペッシュ オードパルファム)という、ジューシーな桃をイメージした香り。
桃そのものをテーマにしていて、皮・果肉・種など、桃のすべてを表現するというこれまた斬新な切り口で作られた香水です。
試しに僕も使わせてもらったところ、トップはフレッシュな桃にフローラルが混ざったような優美な匂いが香りたちました。
時間が経ってくると、ほんの少しマリンっぽさが感じられ、ウッディみと混じり合って色気のある印象へと変化していきます。
奥様は今回が初ラルチザンでしたが、だいぶ気に入ったらしく、現時点ですでに「来年もラルチザンにする!」とおっしゃっております(笑)
ラルチザンの香りと共に
以上、今手元にある3本(+1本)のラルチザンパフュームを紹介しましたが、これらを大別すると「果実をメインテーマにした香り」と「飲み物をメインテーマにした香り」に分類できます。
果実がテーマのミュール エ ムスク エクストリームとア フルール ド ペッシュは、一筋縄ではいかない複雑さがありつつも、フルーツ系なので多くの人に好まれる香りではないかと思います。
清潔感と色気が混在しており、上品な大人のイメージ。わりと日常的にも比較的使いやすいのではないかと思います。
一方、飲み物がテーマとなっているフー アブサンとティー フォー ツーは、強烈な個性と劇的な香りの変化が楽しめる香水。
個性的なゆえ万人に受け入れられる香りではなさそうですが、だからこそハマると抜け出せなくなる魅力があります。僕の中でこの2本は、永久のマイ定番にしたいと思うくらい大好き。無くなったら、また絶対にリピート買いするでしょう。
ちなみに僕の香水の付け方ですが、普通につけるなら首筋や肩、自分でも香りを楽しみたいなら手の甲などにもつけています。
1回に3~4プッシュしても、容量多めだから全然減らない。
基本的に、今年は2024年のメイン香水(ティー フォー ツー)を使っていきますが、たまに気分転換で他の香りも使っていくつもりです。
ラルチザンパフュームの香水は、僕にとって日常に欠かすことのできない存在となりました。
今年の記憶も、ラルチザンの香りと共に刻んでいくとしましょう。
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